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セールスマンのjjのレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
4.5
「ネクタイをしている人間はイランの映画においては悪人である」

芯のある成熟に向かっている男が演劇の中でネクタイを締めてから、徐々にフレームが映し出す様相が変化していき、ある種の倒錯が起こり始める。怒りは愛情であり愛情は予期せぬ事態へと招き取り返しがつかなくなってしまう場合もある。茫然としたネクタイ姿の男のラストシーンが映った時、もはや完全に歯車が狂ってしまったことを我々は理解しなければならなくなるのである。
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