セールスマンの作品情報・感想・評価・動画配信

セールスマン2016年製作の映画)

Forushande/The salesman

上映日:2017年06月10日

製作国:

上映時間:123分

3.6

あらすじ

「セールスマン」に投稿された感想・評価

マヒロ

マヒロの感想・評価

4.0
同じ劇団で俳優を務める夫婦は、住んでいるマンションが工事の影響で倒壊しかけたことをきっかけに新居に引っ越すが、そこで妻が何者かによって暴行を受け大怪我をするという事件が起きる。復讐に燃える夫は血眼で犯人を探すが、一方で被害者である妻は何故か諦めたような態度をとる……というお話。

家族間のイザコザというファルハーディ監督お得意の題材。基本明るい話ではないが、随所に見られるスリリングな演出できっちり映画としてエンタメしているところが見やすくて良かった。
物語の軸となる妻への暴行事件について、映像としては省略されているので具体的に何が起こったのかは分からないんだけど、うっかり閉めなかった玄関の扉がゆっくり開いていくシーンとか、ホラー映画さながらの恐ろしさがある。

はっきりとは語られないが、根底にあるのは「女性差別」の問題のように思えて、事件が起きた事について同じアパートに住む人達が心配はしてくれるんだけど、何故か襲撃者本人ではなく「前に同じ部屋に住んでいた女のせいだ」としきりに非難していたり(売春婦だったようなことが仄めかされる)、きっかけはどうであれ夫も途中から明らかに自分のためだけに行動して妻の気持ちは完全に蔑ろにしていたりと、女性たちの存在や主張が尊重されていないようなところが見られる。『別離』ではどんどんドツボにハマっていく大人たちと対照的な子供達の姿が印象的だったけど、今作ではそれが男と女という形に変わったような感じ。

社会問題を扱いながらも、「興味深い」という意味の面白さだけでなくちゃんと映画的な見せ場もさり気なく作られているところが良い作品だった。

(2021.22)
いかにも批評家受けが良い作品であることは肌で感じられるが、楽しめたかと言えば、否。

引っ越し先のマンションは玄関周りの専有スペースが広くて住みやすそうだったな🙄
KIN10G13F

KIN10G13Fの感想・評価

4.2
終盤は本当に心臓に悪い(ある意味)
是枝的な奥深さがあるような、面白かった
妻が自宅で何者かに襲われ、夫がその犯人探しに奔走する中で復讐に囚われすれ違いに発展する様子を描いた作品。

2021年39本目。

冒頭から何やら不穏な雰囲気がある作品ですが、最後の最後まで不穏一色です。「復讐」をテーマに据えた作品は数知れずですが、今作で描かれる「復讐」もかなりリアルで、エマッドに肩入れしたくなる部分も正直あります。復讐が生むものの虚しさを頭では理解していても、犯人がのこのこ何も変わらぬ日常を過ごすことを許せる気には到底なれないと思います。警察への相談を妻に止められてれば尚更こういう展開になるかなと。

背景となる戯曲『サラリーマンの死』は鑑賞時は知らなかったのですが、鑑賞後軽く調べてみました。なるほどと腑に落ちる点が多かったので、こちらを調べてから鑑賞してもいいかもしれません。
「セールスマンの死」の戯曲と共鳴する。
劇中劇の悲劇、本作の主人公・ある夫婦に降りかかった悲劇とそれがもたらすさらなる悲劇。
イランの住空間、この殺伐としていて、ふと冷たい感覚を残すある種の残酷さが、空間を通して強調されているように感じる。
そのパーソナルスペースを跨いだあとに漂う心情の影がはっきりと目に見えるものではないのだが、ファルハディ監督が空気に色をつけたかのように、あるシーンあるシーンで明確で冷や汗が止まらない気まずさを作り上げる。
飛び交う一見的外れな言葉たちが、こんなにも心をえぐり出すのかと、意図せぬもの、意図したもの、様々な人間の残酷さに溢れた悲劇であり、ラストの家族たちの言葉の洪水はとてつもなく激しく、感情ベクトルが引きちぎられそうになるねじれ現象が正直ユーモアを醸し出している点は変、異様すぎる。
bags

bagsの感想・評価

3.5
こういう系統の話を観るといたたまれない気持ちになる
法による裁きも私刑による復讐も意味はないと
レイプサバイバー、性暴力サバイバーはフラッシュバック注意して。ヤバいと思ったらすぐ離れて。躊躇せず離れて。点数つけてる場合じゃないですよ
つまらなくはないが楽しくない。気が滅入る。この監督もういいわ。
taazan

taazanの感想・評価

3.6
奥さんを襲った犯人が意外。
良い先生で良い夫に思えた旦那さんだけど、復讐は奥さんのためじゃない。
紅茶

紅茶の感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

前の住人の荷物がまだある家に引っ越してくる時点で不気味。壁の傷とか、ドアとか、階段とか、エレベーターの故障だとか、アパート内の印象的なモチーフがとにかく怖い。警察の介入も一切なし。実際の事件の様子もうまいこと観客には見せない。それでもって女性を襲った犯人がまさかの老いぼれたお爺さんだったという事実が明かされる展開は、不意打ちの連続で面白い。
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