セールスマンの作品情報・感想・評価

「セールスマン」に投稿された感想・評価

Masa

Masaの感想・評価

3.5
原題: Forushande
英題: The Salesman
直訳: 販売員

ー ある夜の闖入者
たどり着いた真実は、憎悪か、それとも愛か

引っ越した先で突然妻が何者かに襲われ傷を負った。犯人は一体誰なのか、目的はなんだったのか。

という物語ではあるが、テーマはまた違うものだと思った。

「赦し」ってやっぱり必要だなと。
復讐心からは何も生まれない。逆に大切な何かを失うリスクさえある。

運悪くモヤモヤが残るラストではあるけど、ラスト主人公がとった行動は間違ってないと思った。
ただ、そこに至る過程で、もっともっと妻に寄り添ってあげられてれば、別の結果もあったんだろうなと。
ザン

ザンの感想・評価

3.7
左眉横のかさぶたの感じがリアル。旦那の心情も分からんでもない。
「別離」が良かったので観てみました。「別離」同様、自分の正義を貫こうとするんだけど、色々な事情で全く良い方に転がっていかない、なんともやりきれない類のお話でした。
本作も脚本がよく練られており、まだ観てないけど、きっと他の作品も似たような、非常にすっきりしない、もやもやした気持ちにさせる映画なんだろうと思います。展開や心理描写が巧みで面白く、他のも観たいけど、疲れるので半年後くらいでいい。そんな感じのする映画でした。
nutaki

nutakiの感想・評価

3.6
ファルハディおかわり3杯目!
2009年『彼女が消えた浜辺』(以下、ハマ)2011年『別離』(以下、ベッツ)
2013年『ある過去の行方』(以下、カコ)そして本作2016年『セールスマン』(以下、ルス)と4本を観終わった。監督・脚本がファルなので、どの作品も同じような作風だ。カコだけは過去(カコ)2年前に鑑賞。
2年前にカコを観た後に他の作品も観てみたいとは思わなかったわけだから、それほどでもなかったのだろう。
やはりハマの衝撃が、ベッツ・ルスへと急がせた。
結果としては、このルスは賞は獲っているが、私の好みではなく前作からかなり評価は落ちる。
先ず、出だしから惹き付けない。
だらだらとしてるし、面白くないからだ。
複数の人間が出る話ではなく、主人公の夫婦2人にスポットを当てているため、観ていて緊張感もない。
更に、どうなのよ?と思ったのは、旦那役はハマのアーマドでベッツのホッジャト。あのイケメン。
奥さん役はハマのエリ。浜野絵里っ!
あのカップル、ふたたび。
数年の間があれば良かったが、続けて観ちゃったから、何だかへんな感じ。
たまには違う俳優を使ったら良いのになあ。
でも今作でカンヌ男優賞を獲ったから、やって良かったね、おめでとう。
ストーリーはハマやベッツ同様、事件があって、その後に人間関係が崩れていく、また、サスペンス風に事件の真相を追っていくという作り。
相変わらず心理描写や展開は上手い。
こういう細かな脚本はなかなかない。
更にカメラがいい。
ドキュメンタリーのようなタッチで、臨場感がある。
ただ、やっぱり比べると、ね。
ハマベッツのように身を乗り出して固唾を飲んで観入る、ということがなく、さすがに2時間が長く感じた。
♪なーんでか?それはね~♪
2人の夫婦間の言い合いや心理が、2人という少なさもあるしキャラの魅力と言う点でも物足りず、興味が湧かなかったから。
それと、どこか違和感を感じるシーンや事情が多く、気になってしまう。
想像してみても、あり得るかなそれ、とか思うし、不自然な無理な設定に感じた。
何より、ラストもいま一つ。余韻も少ない。
さて、ひとまずファル祭り終了!
おかわりしたくても、もうファルお櫃は空っぽだしね。腹もいっぱいだわさ。
ハマ>ベッツ>カコ>ルス という順番かな。
徐々に落ちて行っているから、残念過ぎる。
山は下るだけか?
とは言え、すっかりファルファンになったので、自作に期待したい。
頑張れ、ファル!
アもん

アもんの感想・評価

3.7
人の嫌なところを撮るのが好きな監督なのだよねぇ。
サスペンスとしては犯人の出方が、まぁ自然。
子供が入ってくるシーンはやはり良いなこの監督は。
「彼女が消えた浜辺」のほうがもう少し愛があって好き。
emi

emiの感想・評価

3.5
脚本が素晴らしい奥深い人間ドラマ。当事者である妻が実際に何が起こったかを語らないことで周囲の人達も観客も憶測を募らせる。事件が起こった後の夫の態度が冷たく感じられたがイランの社会事情に関連しているのか個人的なものなのかが微妙だ。
話は分かるが、劇中で演じられる舞台劇が何故「セールスマンの死」なのか。誰か教えて。
mtmt

mtmtの感想・評価

3.5
初めてのイラン映画かも。アカデミー賞外国語映画賞作品。なるほど登場人物それぞれの感情に納得のいくプロットだった。キャストの演技も素晴らしい。しかし下情報無しでの鑑賞だったので、そのシリアスな内容に圧倒された。不謹慎ながら別な感想としては、あんなに心臓が悪いのに大丈夫だったんだ⁈ってのもあったりするが…。

このレビューはネタバレを含みます

この作品の映画評については映画評論家の町山智浩氏の「『最前線の映画』を読む」がパーフェクトだと思う。町山氏は主人公の高校教師エマッドに注目している。エマッドは高校教師の傍ら舞台俳優としての活動しており妻のラナも女優である。このほど上演する芝居は1949年ニューヨーク初演のアーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」。町田氏は「エマッドは旧時代のマチズモ(男性優位主義)を克服したリベラルなインテリである。いや、そうあろうとしていた」と指摘する。ところが引っ越したばかりの部屋でラナが何者かに襲われたことをきっかけに夫婦関係がおかしくなってくる。生徒に苛立ち「父親を呼ぶ」とイランの父権主義そのものの発言をし、犯人を自ら見つけ出し、その心臓の悪い父親ほどの年齢の老人の家族になにもかも告白すると脅すも結果的にできず、腹いせに別室で殴ってしまう。その後老人の容態は急変し死んでしまったようだ。何のことはない、エマッド自身がまさに男性優位主義の権化だったとわかるのだ。男性優位主義VSリベラルと見せかけておいて実際は男性優位主義同士の新旧の争いであった。これは現代イランの問題点としてだけではなく性暴力によるセカンドレイプの問題、医学部入試における男女格差などを鑑みるに残念ながら日本でも置き換えられる問題だ。
私ならどうするか、いきつもどりつする思考の中でモヤモヤといつまでも考えている。

この暗い内容の話を2時間ほど飽きずに見せる素晴らしい脚本だった。冒頭、女優に娼婦役だからバカにしていると言わせたり隣人のあなたにも落ち度があったというような発言、夫を盲目的に崇拝しているような老婆など、現代イランの女性の置かれている状況を物語に落とし込んでおり上手い。派手なアクションは皆無だが心理サスペンスとして見ても良作だと思う。ただし視聴後スッキリはしないのでご注意を。
HAY

HAYの感想・評価

3.4
姿を現さない前住人。
近隣住民の視線。
夫の変貌。
夫婦の溝。
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