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ハクソー・リッジのsoraのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.3
太平洋戦争の沖縄戦で衛生兵として従軍したデズモンド・T・ドスの実体験を描いた戦争映画。

幼少期のデズモンド・T・ドスから戦場に赴くまでは少し長めに感じられたが、逆にこの尺で確実に下地を築き上げた。
そして、後半へとシフトすることで更に没入感を感じることができる。

良心的兵役拒否者を基軸に訓練シーンを通し、疎まれながらも信念は絶対にまげようとしないデズモンド。他人とは違い、自分を常に持つことで人は価値観を見出す。ましてや、戦時中ではいかにそれが困難なことか劇中から見て取れる。

そしてハクソーリッジでの激戦。
プライベートライアンのノルマンディーのシーンも衝撃的だったが、今回のハクソーリッジも凄まじかった。
戦闘シーンの長めのカット、迫撃砲の音、兵士の悲鳴。戦争というものを映像だけで表現している。
絶望という言葉がお似合いなその苛烈な戦闘シーンはこの映画の見どころ。
誰もが逃げ出したくなる場所で、己の成すべきことを遂げようとするデズモンドはまさに自分の信念を貫いている。

命を救うことで、戦争に貢献しようとする姿勢は、兵士たちの希望であり、光となったことが、感じ取れる映画だった。


あと、余談ですが、日本軍がすごい怖い。この日本軍の戦争への姿勢が戦争の恐ろしさを物語っており、人はこうも簡単に豹変することができ、絶望の淵では正気を保つことが出来ない。
尚更、デズモンドのような兵士が栄えますね。
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