時は太平洋戦争末期沖縄、前田高地(ハクソーリッジ)で米軍の衛生兵として武器を持たずに参加して、仲間を助けた実際の兵士の物語。
この映画の大事な所は、上官が形だけでも武器を持てばいいだろう？と諭すも、主人公は頑なに拒否をするところだ。
信仰による「人を殺してはいけない」は、普遍的で誰もが納得いく教えだ。しかし戦場でそれが貫き通せるのか？
現代にも普遍的な思想が通りにくい難しい問題が多々あり(例えば、差別問題、核兵器廃絶、未だ絶えない戦場など)だからこそ主人公がやりとげた事は美しく偉大な物になったのだろう。
その一貫した主人公の生き様に対するように、日本側の視点は命をかけ国土を守る様子が描かれ、司令官の切腹シーンは生の対極にある死を肯定的に美しく演出していて、物語の幅が広がったように思えた。
