森崎

西遊記 孫悟空 VS 白骨夫人の森崎のレビュー・感想・評価

西遊記 孫悟空 VS 白骨夫人(2016年製作の映画)
2.5
ワイヤーアクションどかーん!CGがどーん!なデラックス西遊記。なにせ孫悟空がめっぽう強い。弾き飛ばされても被ダメ描写はほぼゼロよ!

三蔵法師と出会う前までを描いたシリーズ一作目があり、こちらはその続編。三蔵法師と孫悟空の出会いから始まるので前作を観ていないことに加えて西遊記自体のあらすじがあやふやでも問題無く観られる。

腰抜け坊っちゃんの三蔵法師と乱暴者ながら聞き分けのいい孫悟空とものぐさ豚野郎の猪八戒と実直で意外に戦闘力の高い沙悟浄。最初の印象として、知識ばかりで現実を知らない三蔵法師と力があるからこそ心を蔑ろにしてしまう孫悟空とがお互いを補いあい、天竺へと歩を進める中での様々な出来事を経て立派になる様子を描くのかななんて思っていたら完全に守られる者と守る者でバッキバキに分かれて仕事してらっしゃいました。守ってあげなければもれなく死んでただろうに叱られてる孫悟空が不憫だ…。正義や許しのための強さや優しさって時に報われなかったり無力だったりする、そうしたものについて孫悟空や三蔵法師は旅の中でそれぞれどんな選択をするのだろうと興味が出た。が、悪者や行く手を阻むものは爆発四散してくれると嬉しい派としては三蔵法師の態度に少しもやもや。

この作品のアクションの大半はワイヤーアクションで基本ふよふよと浮いているので、体術や如意棒などの武器を使った殺陣を期待していたら少し肩透かしを食らう感じ。でも、ワイヤーアクションが敵役の白骨夫人を何倍にも美しく、そして妖しく見せる。横顔のショットが多い分ちょっと受け口なのが気になるけど、それを差し引いても精気の無い白い肌に黒い衣装を纏った姿や滑るように獲物に迫る様が綺麗だった。白骨夫人の配下の女性が変身する蛇、蝙蝠、ヤマアラシかハリネズミかを模したクリーチャーデザインも格好良い。雑魚部隊として出てくる骸骨はなぜか眼球だけついてる。

とまあ既にある程度聡明で徳を積んだ人物だと個人的に今まで思っていた三蔵法師のキャラクターがしっくりこなかったので白骨夫人周りでいろいろと楽しんだ感覚。
喰らう系の悪役の行動が好きなものは最後に食べるタイプだと苦労するネ!
森崎

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