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アリータ:バトル・エンジェルのmatsushiのレビュー・感想・評価

3.9
日本のコミック「銃夢」が原作となった、ハリウッドSFアクション超大作!

舞台は、数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた…

原作は未読ですが、かなり楽しめました。本作の魅力はなんといっても壮大なビジュアル。映画はここまで進化したんだぞ、と言わんばかりの圧倒的ビジュアルは息を飲むほど美しく、感動さえ覚えました。
アリータの緻密な表情変化、肌の細かな凹凸まで表現されており、実写とCGIの融合に完璧に成功しています。全くもってCGIには違和感がありません。

そして、本作をより魅力的にするのが超クールなアクション。戦闘シーンはもちろんのこと、モーターボールでのシーンは開いた口がふさがらないほど秀逸でした。
またほかのサイボーグたちの姿も見所でしょう。ユニークで、男心をくすぐるようなフォルムのサイボーグたちが大暴れします。すごいだけじゃなく、爽快感も感じられるアクションでした。

ただ一つ、気になった点があります。ストーリーの詰め込みすぎ感と若干の急速感です。作品を通したアリータの目的が真っ直ぐではなく、コロコロと変わるのでそこに突っかかってしまいました。サブプロットが回収されないまま、他のプロットに移っていくので、集中できないところもあったのが正直なところ。海外の映画評価サイト「rotten tomatoes」でも、観客の評価は94%と高いものの、批評家の評価が60%と若干低いです。レビューを見たのですが、アリータの感情の変化の要因が薄いという意見もありました。
しかし、これは仕方がないことかもしれません。もともと、本作の脚本を書いたジェームズ・キャメロンが初めに提出した本作の脚本はなんと600ページだったらしいのです。というのも元々ジェームズ・キャメロンは「銃夢」の大ファンであり、その愛が溢れ、映画として「アリータ」を昇華しようとした結果、600ページの脚本を122分にまとめたんですから、これは仕方ありません。「アバター」製作中から本作の構想はあったらしく、製作総指揮としても本作に関わっているジェームズ・キャメロンだからこそ、本作は観客の満足度が高いのでしょう。

終わり方も気になるところです。
ぜひ本作は映画館で見ることをオススメします。
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