紅蓮亭血飛沫

クロノス・コントロールの紅蓮亭血飛沫のネタバレレビュー・内容・結末

クロノス・コントロール(2017年製作の映画)
1.4

このレビューはネタバレを含みます

人工知能・クロノスによって、人類は不要と判断され、大規模な攻撃により人類の大半が死滅してしまった世界。
生き残った数少ない人類は、ロボット達による攻撃が及ばない安息の地・オーロラにて平和に過ごしている…という噂が一人歩きしており、主人公・アンドリューは偶然出会った女性カリアと共に希望を胸に抱きながら、オーロラへ向かう。

劇中のほとんどがアンドリューとカリアによる旅、たまにクロノスと同化したクロノスの設立者おじさんとその相方による掛け合いで構成されているのですが、特に進展もなくだらだらとやってる印象が拭えないほど、退屈な時間が続きます。
はっきり言って映画の内容よりも、眠気との戦いという点に気持ちが向いてしまう程に退屈でした。

本作の肝・ネタバラシとして主人公・アンドリューが実はヒューマノイドというロボット(アンドロイド)であり、本物であるアンドリューはとっくの昔に死んでおり、劇中の彼は本物であるアンドリューのデータを脳にインプットされただけの偽物である、という要素がありますが、この強みを序盤の時点であっさりとバラしてしまうのもいただけない。
それこそこの手の“自分は本物の〇〇ではない”という葛藤展開は中盤・終盤まで隠し通し、その際に葛藤等のドラマを描いていくのが定石ですが、本作は早々に彼の正体を明かしてしまい、その早過ぎたネタバラシの意味も特に無いものですから尚の事ガッカリ。
彼の正体を早々にバラし、視聴者も彼を“そういう存在”として認識した上で本作を鑑賞する…というのをスタッフの意図として描いたのでしょうが、このネタをバラした甲斐が特にないというのは…。

最終的な結末として、オーロラという安息の地は地球に存在せず、地球とよく似ている別の惑星へ、宇宙船を介して移住するというオチは悪くなかったです。
地球はロボットによって支配されてしまったわけですし、地球にとって人類はいてはいけない存在(地球を食い潰すだけ)となっているので、別の惑星への移住というのは理に適っていますよね。
アントニオ・バンデラス主演作・オートマタという映画でも“人類がいずれ滅んだ後、その後の地球を担う頂点に立つのはロボットである”という結論を提示していたように、地球にとっては人類が生存するよりもロボットに取って代わってもらった方がいいのかもしれません…。

ラストまで見たら「少しだけ見た甲斐はあったかな」と思うようになりましたが、ハッキリ言うと映画自体は結構苦痛且つ退屈なのでお勧めはしません。
ロボットによる侵略・襲撃を描く序盤は、気合い入れて挑んだのが画面越しに伝わってきましたがそれぐらいですね。
やはり主人公の正体を序盤であっさりと明かしてしまうのが勿体ない…。