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21世紀の資本のtaroのレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
4.0
アマゾン440円。ピケティの21世紀の資本を元に作られたドキュメンタリー映画。ピケティの本は話題になっていたため買ったが半分くらい読んで積読になってるので読み返してみようかな。映画の内容は前半部分が資本と経済についての歴史のおさらいで、後半が現代社会での問題点と政策提言みたいな形になっている。歴史上かつて資本の集中がさらなる富を生み出していたというところまでは本で読んでおおむね理解していたが映像でもまあ大まかになぞっていた。その後の大きなところでは資本の独占や累進課税とタックスヘイブンなどの租税回避の防止といったところだが、細かい所ではAIなどの自動機械との競争やウーバーイーツなどの見せかけの個人事業主といった所まで軽く言及されている。まあこの手の話はおおむね色々なメディアで喧しいためある程度基本的な事を知ってる人にはおなじみの同じ話を繰り返されるだけかと思うが、まとめとしてはよいと思った。確か本には戦争こそが格差を破壊し富の平等をもたらしていたといったことが日本を例に挙げて記述されていたはずだが、経済左派、政治左派的な観点から制作された映画のため、そこらへんはかなりぼやかされ後半の社会の格差が分断と差別を生み出し争いに繋がるという程度のほのめかしにとどまっている。映像は昨今の映画やヒットソングなどが使われていてお堅いイメージを和らげようとしている感じがする。
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