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ワンダー 君は太陽のtarokuのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
3.7
愛に溢れたすごく良い作品だった。
すごく良い作品だからこそ、現実的に自分事として考えてしまい、実際には顔が異形の他者に対して、愛を持って善意の興味を持って接してくれる子供はほとんどいないだろうし、10歳という年齢でオギーのように真っ直ぐ賢明な男の子なんていないだろうから、結局は絵空事だと感じてしまい、現実の難しさと悲しさを覚えてしまった。

でも、こんな理想的なシナリオで現実は進まないにしても、家族の在り方や教師などの見守る側の接した方に関しては、特に日本人にとっては、すごく現実的で参考になる部分が多い映画だと思った。

特に個人的には、先生の接し方が素晴らしいと感じた。"優しくしなさい""仲良くしてあげなさい"とは決して言わない。先生が差別をしないこうした姿勢は全てのスタートになると思う。
結局、善意も悪意も差別は差別だから。

宗教などを含む様々な価値観によって本当に様々だとは思うが、しかしながらこの映画の中で描かれる程の愛は、おそらく経済的安定が大前提になるんじゃないかと思う。
そんなことも考えてしまい、幸福感だけで終われなかった部分も含めて、素晴らしい映画だった。
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