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ワンダー 君は太陽のKanaのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
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開始10分からコンスタントに泣き続けた。ティッシュ5枚分泣いたけど、これでも節約した。

登場人物全員が愛おしい。みんなが綺麗な心を持ってる。みんなに感情移入してしまう。みんなに幸せになってほしい。

こういう映画って、主人公にフォーカスしがちだけど、実際の世界では、一人の人間がいて、周りにまた人がいて、影響を与えたり受けたりしながら生きているから、それをよく描いているなあって思った。
オギーにも、ヴィアにも、ママにも、パパにも、ジャック・ウィルにも、それぞれ人生はあって、物語では「オギー(太陽)を中心に家族が惑星のように回っている」とあったけど、決してそうならないで、自分の人生を自分のために生きてほしいとも思った。実際支えることは大事だし、理想論なのかもしれないけど。

顔の見た目が人と違うオギーに対する周りの反応が、表情などを通して生々しくリアルに描かれていた。私は差別をしない方だと自負しているけれど、実際に目の当たりにしたら「あっ」と思ってしまうと思う。この、一瞬の戸惑いを完全に無くすことは難しいのかもしれない。自分自身、人と違うところがあって、それが周りに露見したり、人に伝えたりした時に、その一瞬の戸惑いを感じることがある。だから余計にオギーの気持ちを想像して泣いた。それではどうするのが正解なんだろう?

おそらくだけど、ジャック・ウィルがその正解に最も近いやり方を示してくれたんじゃないかな、と思う。

最初は驚き、戸惑い、陰口を言ったとしても、関わるうちにその人の内面に惹かれて、自分の意思でその人と居ることを選んで、間違ったことは謝罪する。たった5年生の彼に大切なことを学んだ気がする。

それだけに、この映画の、表彰のシーンは少し首を傾げてしまった。賞賛されるべきは、一人だけではないと感じたからだ。

だけど、とても温かい気持ちにさせてくれたこの映画に出会えてよかったし、これからも定期的に観たいと思っている。
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