TakeshiKaneko

タクシードライバー祗園太郎 THE MOVIE すべての葛野郎に捧ぐのTakeshiKanekoのレビュー・感想・評価

3.8
できないからこそ、できること。

ヨーロッパといえば、
福井名物ソースかつ丼のヨーロッパ軒。
あのシンプルな組合せがが美味しい。年季の入ったお店の佇まいもすごくいい。

でも、今回のヨーロッパは、京都を拠点に活躍している劇団、ヨーロッパ企画。
そのヨーロッパ企画が作った映画「タクシードライバー祗園太郎THE MOVIE」。
なんと紙人形と実写の物語。
それも、どちらかといえばしょぼめの紙人形。しかも、実写に紙人形がそのまま登場する。見る前は、これ大丈夫かな・・・なんて、正直思ってました。

ところが、
なかなか面白い。
顔の表情も変わらないし、ポーズも変わらない。でもなぜか感情が伝わる。(主人公だけは4種類くらい別表情ありますが)
だけど、演出や台詞回しがいいん。
あんな割り箸にくっ付いた夏休みの自由研究で作るような紙人形が泣いたり笑ったり、冒険したり。

紙切れという不自由なものが、表情豊かに見えてくる。というか、紙人形だからこその良さがあるな。自由自在じゃないからこその懐の深さというか。観客に委ねちゃうところとか。いいんだな。小難しいこと考える必要もなく、バカバカしいし、面白い。

こちらのヨーロッパもソースかつ丼同様、見た目と違い、奥深い味わいがあったのでした。
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