Harumo

コレットのHarumoのレビュー・感想・評価

コレット(2018年製作の映画)
3.3
母が大好きで名前だけは知っていたフランスの偉大なる女性作家、コレットの人生を追った映画。試写会に来ていた鹿島茂さんによると、「プルーストとコレットを読めば、フランス文学のすべてが理解できる」と言われるほど本国では評価が高い作家だそう。
どこを見渡してもクロディーヌ(コレットの小説の主人公)というくらいの一大ブームを巻き起こしていたなんて、まったく知らなかった。そして、「自分に似合うことが重要」と言っているパリジェンヌでも、全員同じ服装、同じ髪型をしていた時期があったんだなぁ。
内容は、自然豊かな田舎で暮らしていたコレットが、パリで作家(ただしほとんど自分で書いていない)として活躍するダメンズと結婚し、夫のゴーストライターとして活躍するうちに作家としての才能が開花していく…というものだったけれど、とにかく夫がクズすぎてびっくり。浮気・ギャンブル・借金・使い込み…すごい奴と結婚したもんだ。そして「自由・平等・博愛」のはずのフランスにも、女性がパンツをはいただけで法律違反になるような、信じられない男女差別がある時代が存在していたことに驚いた。ただ、いくらそんな時代だからといって、コレットは夫を許しすぎ、我慢しすぎじゃないかなぁと思ってしまった。現代の感覚で見ているからそう思うのかもしれないけれど、ほかの登場人物を見ると、当時も離婚することはできたみたいだし、あそこまで長い間日陰の人物に甘んじる必要はなかったんじゃないかな?
それでも、本当にいよいよ最後、コレットがぶちぎれてから叩きのめしたのにはスカッとした!ビリーブに引き続き、「女の足を引っ張るな!男ども!」という映画だったなぁ。
ただ、あのダメダメな夫と出会っていなかったら、コレットが表現する喜びに気づき、才能を開花させることもなかったのかな?と思うと、複雑。
信念を貫き通すコレットにキーラ・ナイトレイはあっていたけど、やっぱりフランス語で制作してほしかったな。
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