めちゃくちゃ面白いことに異論はないけど、やはりヨルゴス・ランティモス作品は好きになれない...
ギリシア悲劇の「アウリスのイピゲネイア」がインスピレーション源になってるとのことで、神話と本作の関連性をみつけるのも面白いし、終始ハラハラして引き込まれる。
カンヌ脚本賞も納得の面白さなのだけど、家族が崩壊していく様とか非常時に露悪していく人間の醜さとか、作中にずっと漂う不協和音がしんどい。
他のランティモス作品にも通底する、人間関係が狂っていくなかで人間の本性の醜さがこれでもかと露呈する。
なんでそんなに人間の本性を露悪的に描くんだろうとか、トマス・ホッブズの自然状態における「万人の万人に対する闘争」あたりを信仰しすぎじゃないのと疑いたくなる笑
人間には善いところもいっぱいあるじゃんと言いたくなる...(そういう作風じゃないけど)
my favoriteの真反対にあるたいへん胸糞な一品である...けどやっぱり毎作話題になるし、質の良さは信頼できる(駄作という意味のハズレは無い)監督なのでつい観てしまう...