乃子

22年目の告白 私が殺人犯ですの乃子のレビュー・感想・評価

4.6
鮮やかな脚本まわしと最高のオープニング、そして『音』。

元ネタの韓国映画は見ていませんが、まず社会の背景に即したアイディアが素晴らしいと思います。
二転三転する脚本と展開には「そう来るかぁ〜!」と唸りっぱなし。
伏線の張り方と回収の仕方が余りにも鮮やか過ぎて、鑑賞後、しばらく放心状態でした。
演出も最高で、特にオープニングの素晴らしさは、今まで見た映画の中で五本の指に入るかもしれません。
ここまで一気に作品に入り込める導入シーンは、正直言って初めてでした。
そして、特筆すべきは『音』。
音楽ではなく、『音』でこんなにストレスを感じるなんて思いもしなかったよ…。
映画館という密室の中で反響する『音』のせいで、滅茶苦茶胃がキリキリしました。
116分の間に胃潰瘍になるかと思った。
硬派な刑事の伊藤英明、『殺人犯』の藤原竜也を始め、演技派の俳優陣が各々の目的と性格に応じ、矛盾の無い動機で行動しているので「結局○○って何だったの?」のいうようなモヤモヤがほぼ無かった点も評価したいと思います。

難点を一つだけ挙げるとすれば、出版社の社員役のおねーさん(私の勉強不足で名前は存じません、すみません)がアニメ声過ぎて映画から浮いていたこと。
これが無ければ5点満点だったかもしれないのに…うーん、惜しかったな…。
乃子

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