なくいら

アリーガルの夜明けのなくいらのレビュー・感想・評価

アリーガルの夜明け(2015年製作の映画)
4.0
同性愛は違法なのか。
独身は犯罪なのか。

インドで2009年同性愛が合法となった後の2010年、ゲイであるシラース教授が、アリーガル・ムスリム大学を不当解雇された事件をもとに作られた作品。

ドラマティックな演出を過剰に加えず、あくまでも事実を客観的に提示して、観るものに考えさせる作品となっている。
答えを明示せず、その時の彼らの心情を推察することで、観た人それぞれの感想も違ってくるのだろうな。

事件を追う記者と教授の、微妙な関係性と絶妙なやり取りと空気感が素敵。
ラジクマさんもマノージさんも本当に素晴らしい演技だった。


同性愛が違法かどうかの論争は、その後また違法となり、2018年に再度合法となったそうだけど、法律が変わろうと環境は変わらないんだと思う。
インドは特に、地域によって言語も歴史も宗教も違う。作中に出てきた、肉食か菜食かだけでも、相容れない存在となり得る。

人間の行動を法律では変えられないことがあるのは残念だけど、脅威ではないものを法律で禁じる必要性って、何なんだろうな。


ラストについて、コメントにて↓
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