あつし

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のあつしのレビュー・感想・評価

3.7
たくさんの高評価なレビューに納得の面白さです。以下、ネタバレも含んでしまいそうな、私的な感想や推察です。

主人公の衣装について。YOUTH OF TODAYのパーカーは、依存症である彼自身の今の闘っている?状態を表しているのかな。子どもたちと遊んでいたり、手術を受けて帰って来るシーンでも着ているのが意味深で印象的です。

RUDIMENTARY PENIやEINSTURZENDE NEUBAUTENのTシャツも同じくですが、どちらかというと彼のバンドや映画の雰囲気、またラストへの伏線とも取れるかな、と。僕が世界一大好きな日本のあのバンドのノースリーブTシャツは…うん、セラピーで強がるためですかね(笑)それぞれのバンドがどんな姿勢や音で活動していたかを調べてみると、より深く理解できるのではないでしょうか。

タイトルについて。直訳して「金属の音」と捉える方が映画全体のテーマを受け取れるような気がします。滑り台のシーンですよね、やっぱり。どうしてもヘヴィメタル的なことがチラつきますが、そこはあまり重要ではないのかな。確かにiTunesなんかでは簡単にメタルに分類される類だし、メタルバンドのドラマーの方々には難聴を抱える人が多くいるのも事実です。

サブタイトルがいいですね、「聞こえるということ」。「聞こえないということ」ではなくて、また「聴」ではなく「聞」を使うところにも音楽活動だけではなく、能動的であるか、受動的であるかということにもかかっているようで。というのは深読みしすぎでしょうか。

そして何よりも「音」について。適切すぎるノイズや無音も含めた音。自分も耳の調子が悪い時、不安になったことを思い出しました。感覚というのは感情に作用します。ほとんどBGM使われてないですよね?それが効果的なんですよね、全ての音が適材適所だと思います。

肝心な内容についてはあまり触れずに長々と書いてしまいましたが、あくまでも個人的な意見ということでご容赦ください。
あつし

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