NO MUSIC NO LIFEな私としては
ルーベンの痛みは本当によく分かる。
話が出来ない、音が聞こえないのも
もちろん困るし辛い。
でも、音楽って自分だから。
表現することで言葉の代わりにも
疲れた時の癒しにも
なんなら行き詰まった時の解決策にすら
なるほど、音楽好きにとっての
音楽ってまさに人生。
そこを閉ざされるのだよね…。
ルーベンが初めに施設を全力で
拒んだ気持ち…
それを見て思い出した。
…
以前、手話通訳をしてる健常の友人がいた。
人の役に立てる素敵な仕事だと言った私に
彼女はきっと誇らしい顔をする…と
思ったのだけど違った。
いい事ばかりじゃないよ?
彼らには彼らの世界がある。
言葉は通じても耳が聞こえる自分は
中に入っては行けない。
どこか線を引かれて、
本当に分かり合える事はないんだと。
⚠️内容にちょっと触れてます。
当然その例が全てではないけれど、
支援コミュニティのおじさんが
出て行ってくれ…と言ったのも
結局はそういう事なんだろうと
納得した。
今では裸眼じゃ
ランドルト環の一番上も見えないけど
幼い頃、視力が2.0だった私は
「視力が悪い」とはどう見えているのかが
理解出来なくて、メガネの友達に
どんなふうに見えているのかを
執拗に聞いた事がある。
その友人もまた逆に2.0の世界が
気になったらしく、
あれ見えるの?何それ!と
お互いに理解出来ない世界の話をした。
自分に出来ない体験って
どんな事であってもとても貴重。
それをこんなに簡単に追体験できるってすごい。
音に鮮明さが無くなり
くぐもっていく感じ。
聴覚障がいの方が前に言われてた
「音はするけど、何の音か分からない」
ってこういう事なんだと実感。
いやもう全然映画の感想じゃないじゃんって話なんだけど、それだけたくさん
詰まっていて、いっぱい考える事になる映画。
ラストシーンの表情はとても印象的。