留々家

アヴリルと奇妙な世界の留々家のネタバレレビュー・内容・結末

アヴリルと奇妙な世界(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

・科学史から科学者が一人消えたところで、彼の科学的発見は他の科学者によってなされるので、おそらく歴史はあまり変わらない。しかし、著名な科学者が片っ端から誘拐されたら、科学は遅滞し、スチームパンクが成立する!という世界設定が面白い。

・陰謀論や創作において、基本的に邪悪な存在として描かれる地下世界のレプティリアンだが、地上の人間社会がディストピア、悪の状態となると、レプティリアンが逆転して善の立ち位置となるのが興味深い。

・血清の有効性を示すために猫のダーウィンが撃ち殺されたとき、即座に反応すべきはジュリアスの方だった。そうすれば観客がジュリアスに感情移入することができたのだから。

・地下世界のモブの科学者はみんな実在の科学者なんだろうか。誰が誰なのか気になった。

・ラストで猫のダーウィンの不死性を朗らかに描いているのが良いと思った。バートンの『フランケンウィニー』でも思ったが、死の克服を肯定的に描いている作品が好き。また、本作ではその一方で、ヒロインたち家族の、子どもを生んで死んでいく有り様も肯定的に描いている(壁に貼られた家族の写真)。
留々家

留々家