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修羅の群れのmikanmcsのレビュー・感想・評価

修羅の群れ(1984年製作の映画)
3.5
今年に入って初めて見たヤクザ映画です。バブル期1984年の作品なので、もうヤクザ映画の全盛期は終わっており当時も「リバイバル」的な感じだったと記憶しております。

オールスター・キャストで大作感があり、見知った顔がたくさんでてくるのが楽しいです。(これで健さんがいたら。。)話が横浜~神奈川をベースに進むのも個人的に興味がありました。(これ、原作は稲川会の話らしいですね)

物語的には主人公の戦前~戦後を通じた男渡世一代記、という感じなので、感触は違えど、スコセッシの「グッド・フェローズ」を思いだしました。(松方=デニーロ、北島=ジョー・ぺシ 菅原=レイ・リオッタ、と勝手に妄想)

監督が巨匠 山下耕作(「総長賭博」「緋牡丹博徒」)なんで、実録路線ではなくオールド・ヤクザ=「漢(オトコ)のロマン」路線で泣かせます。(「ヤクザを美化しすぎ」なんて声も聞こえてきそうですが、野暮は言いっこなし。映画は「アウトローの美学」をずっと描いてきました。)

意外でしたが、この映画、主役の松方弘樹より、それを脇で支える鶴田浩二、北島三郎、菅原文太のほうが光ってました。特に「おやっさん」役の鶴田浩二は要所要所で「漢(オトコ)」に関しての渋いセリフを吐きまくりで、「名言製造機かよ!」と思いました。実際、映画は鶴田浩二の死去で幕を閉じます。

ヤクザ映画ってみんな同じなので続けてみると飽きてしまうけれど、たまに見るととても面白いですね。またそのうち過去の名作を見返そうかな。
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