このレビューはネタバレを含みます
内容的には
一生で全く別の人間として人生を繰り返し生きることができる女性のお話でした。
ミステリアスなように見えて
ですが観る人によって受け取り方が違うようなお話におもえます。
私は
とても人間らしく繊細な女性のお話に
思えました。
ここからは私の感想になります!
気がつけば他者が自分を形成してることがあるし、人生を生きていれば必然的なことの様にも思えます。
しかしその他者からの認知こそが
時には杭のようにその人の身体や心を貫き、
息苦しく身動きが自由に取れなくしてしまうこともあります。
一見、主人公の女性は
自分とゆう概念に縛られるのが嫌で
飽き性で、自由奔放かつ非人道的な行動の様にもみえますが、かなり人間に近い行動なのかなとゆう風に感じました。
人から認知される自分像によって
本来自分の思う自分像にブレが生じてしまい崩壊してしまうこと
それが自分のアイデンティティに侵略されること、
つまり他者が自分を勝手に形成してゆくことに恐怖を感じ、
他者が入る余地なく、
自分で自分を形成しては崩壊し
それを繰り返しているのかなぁと感じました。
それはあまりに寂しく、忙しなく、苦しいものだと感じます。
自分も同じことを物心をついた頃から感じていて、
他者からの認識は、自分を形成し居場所をつくり安心感を与えてもくれましたが、
時には自分を見失う原因にもなりました。
もはや自分が何をしたいのか何を求めているのか自分は何を考えてるのかさえも
分からなくなることがありました。
そうなる前に自分が他者になってしまうとゆうこと、
自分とは全く別の人間になりきることで
自分そのものの崩壊を避けてきました。
この作品の主人公ほどは器用にはいきませんでしたが笑
自分が自分に追われてしまう前にに行動に移し必死に生きる彼女の姿は、
たくましくも、悲しく思えました。
最後には、自分を愛せない彼女が
自身を愛した人(トム)に愛してもらうことで
自分でも全ての自分を少し愛しく感じることができたような様子を感じました。
そのためかつて愛し合った元恋人であるトムに
彼女自身の考えを理解してもらえた時の
彼女の涙を含んだ表情は
とても幸福感に満ちており、
ずっと求めてたものにすがりつく切ない表情で混沌としている様に思えました。
(あくまで私の見解です笑)
面白さを求めるなら人によるかもしれませんが私にはとても意味があるとても素敵な映画でした。
サスペンスってゆう印象はあまり受けれないかもしれないですね、、