カリントウもぐもぐ星人

Qのカリントウもぐもぐ星人のレビュー・感想・評価

Q(2007年製作の映画)
1.2
ネタバレあるけどこんな映画ネタバレあろうがなかろうが楽しめないのでガンガン書くことにする

・あらすじ
7人の男女が集められている密室。皆鎖で椅子に縛りつけられており、身動きは取れない。見ると、1つ死体が座っている椅子があった(その伏線は回収されない、ただあっただけ)。皆前後の記憶はなく、何故こんな状況にあるのかはわからない。混乱を隠せない中、部屋内に突然謎の声が響く。
クエスチョンマスターというとんまなネーミングを胸を張って主張する声の主は「これから皆さんに質問をします」と言い、次のように続けた。
1.質問には20秒以内に答えなければならない
2.嘘をついてはないけない
3.上記のルールを守れなかった場合は死が待っている
説明を終え、何とも盛り上がらないデスゲームが幕を開けた

・感想

とにかく杜撰。そして面白くない。
説明不足どころか、そもそも設定は作ったのか? と思える程にツッコミどころが多いのだ。

例えば、質問に焦点を置く。
質問の中で「あなたは〜という悪事を働きましたか?」という旨の質問をされるので、復讐や制裁が目的かな? と疑問が生まれるのだが、結局なんの説明もなくラストまで進む。目的が不明という恐怖も演出としてありだとは思うが、敢えてそうする必要性も感じなかった。
技量不足か、或いは単に脇が甘いだけなのか。
はじめのうちは正直に答えれば正解するのだが、質問は次第に難易度を上げ、答えようのない問いとなっていく。
それが理不尽な恐怖と演出しているのだろうが、個人的にシチュエーションスリラーは不可能な事をさせたらいけないと思う。肝心の駆け引きがなくなってしまってドキドキがなくなってしまう。

また、悪事を認め助かった人を、何故か皆が非難するというコンセプトのブレも見られた。
敵対対象がブレにブレたせいで、一貫性がなく、まとまりが失せている。

更に、今作のキャラクターには魅力がない。一切ない。いなくても分からない。急にフレームアウトして次にインした時にキャラが変わっても多分気づかない。
唯一、レンタルビデオ店店員の哲学は興味深かったが、その彼のキャラもブレ始める。
それは教師が都合の悪い質問にYESと答えた時だ
作中に以下のようなやりとりがある

「(YESと答えた直後)潔いじゃないか、ファンになっちまったよ!」
数分後
「だから教師って嫌いなんだよ」
なんじゃこいつ
一体どういうキャラなのか全く分からない。いや、キャラ設定を練ってないのだろう。

また、死体に致命傷以外の切り傷があるのも気になった。
暗い中殺そうとするからミスったのかな?

そしてこれが1番の致命傷。
肝心の質問が聞こえないのです。
これは音量の大小の問題ではなく、声にエコーをかけ過ぎてて内容が聞き取れない。
クエスチョンマスターの質問に「NO」と答えた女性が「嘘である」と判断された時必死に
「私そんなことしてないよ!」
って叫ぶけど何をしてないのかも分からない。
何にも伝わらない。聞こえてないんだから。

総評して、B級、D級以下の出来なのは間違いない。
しかしZ級の域にまでは達していない。
どこにも位置付け出来ない。
結局は何の話だったのかもよく分からんし、もうとにかく中途半端な信念も熱意も感じられない映画。
映画をツッコミながら楽しめる人にはいいかも。
自分は嫌いじゃない。二度と見たくないけど。