ナーシャ

アイ・ビリーブ・イン・ユニコーンズ(原題)のナーシャのレビュー・感想・評価

4.0
台詞が極端に少なく、ストーリーは青春モノにありがちな内容だが、デヴィーナとスターリンの妙に現実味のある境遇が2人の逃避行に説得力を持たせている。
何より、ソフィア・コッポラのヴァージンスーサイズを彷彿とさせる光を多く取り込んだ解像度が低い映像(35mmか70mm?)がノスタルジックで、どのシーンを切り取っても絵になる。
俳優2人の瑞々しい演技と最高のハーモニーを奏でていて思わず画面に食い入ってしまった。

タイトルにもあるユニコーンは、デヴィーナの処女性を象徴していることが鑑賞を進めるごとに明らかになっていく。
西海岸の目が眩むような陽の光が降りそそぐ開放的な逃避行のシーンとは対照的に、ベッドシーンは生々しく、今にも崩れそうな不安定さを孕んだ不穏な雰囲気を醸し出していた。

全体的に掴みどころのなさと若さゆえの愚かさを感じるフォトジェニックな映画だった。
ナーシャ

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