MisakiNarita

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だのMisakiNaritaのレビュー・感想・評価

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【世界の対話の入り口になる映画】

試写会にて
「東京という都市の映画である」と監督がいわれたこの映画は、二人の世界ではなく、世界の中の二人を描いた映画だった。
言葉に溺れて、都市に感化され、シーンの断片断片のみを繋ぎ止めるということは、二人の恋愛映画というより「東京の中の二人の映画」なのではないだろうか。
舞台である新宿も渋谷も、その地に毎日足を延ばす私にとって、「東京の夜は(黒ではなく)いつでも最高密度で青色である」という言葉は感傷的であったし、東京に馴染みのない人にとって、この映画はどう響くのだろうかと考えていた。
脚本においても、最果タヒが基となっているだけではなく、映像に対して言葉がミクロであったりマクロであったりと変動がある。
言葉を監督が感じたように映像と音によって目に見える形で表す「世界の対話の入り口」でありたいという願いの込められた映画であった。
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