上海ろんろん名瀬

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だの上海ろんろん名瀬のレビュー・感想・評価

4.0
なんとなくガールズバーで働いて、なんとなくノルマをこなしていく日々。いつだって隣に死が転がっているのに、くるりと一回りしてささやかな抵抗。

半分しか見えない世界の中で、不安を捨てるためにずっと音を鳴らして、なんとなく感じる嫌な予感を信じる日々。いつだって隣に死は転がっているから、やっぱりと呟いてささやかな抵抗。

この映画に映る東京はとても明るく、賑やかで、どことなくさみしい。この二人もそう。ずっと、どことなくさみしい。
生きることに傲慢になりきれないから、いつだって俯瞰して、死に対しても敏感になりすぎて、生きることにも臆病になって、恋愛をする人を馬鹿にしなくちゃいけない時がある。そんな時に効くのは、頑張れとかざまぁみろとか、そういう衒いのないストレートな言葉なんだろうなと感じた。

この映画を見て、あぁこれは自分のことだと思う人はたくさんいると思う。
願わくばあなたの寂しさを掬うことができますよう。