こんなにもポジティブにアグレッシブに勇気を湧き上がらせてくれる映画だったなんて…！！
NASAで働く黒人女性たちの実話を基にした物語ということで、だいぶ構えていた。人種差別問題を取り上げる作品を見るとなると、自分としてはショッキングなことがまだまだ多い。そのため、本当に余裕があるときにしか、学ぶ姿勢をもって臨めないという心持ちがどうしてもある。
この作品がその問題を扱っていないというわけではない。むしろ真っ正面から描いている。「人種差別を撤廃しよう」とアメリカ全土で動きが活発になり始めた微妙な時期、ジョージア州の白人たちは絶妙な間合いで差別感情を表し、黒人たちもその環境の中で生きていることに痛いほど自覚的で受動的だ。そんな中、白人男性主義のあの時代に、「黒人」であり「女性」であった彼女たちが、真っ正面から人種の隔たりに、男性に、時代の流れに、そして何より有人宇宙飛行の成功に向けて努力し続けた様子は、体の底から勇気を沸き立たせてくれる。
誰よりも賢く、理路整然と先を読み、未来を夢見て進み続ける女性たちの姿を楽しめる充実した2時間だった。嬉しいとき、悲しいとき、何度でも見たくなる作品。出会えてよかった。
