青沢さりた

否定と肯定の青沢さりたのレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
3.7
実際に起こったホロコーストの事実をめぐる裁判
否定論者アーヴィングの言葉の強さに
そういう考え方もあるのかと思ってしまいます。

捻じ曲げられた理論でも声高く語り
話題にされれば、聞く人間、信じる人間がいる。
今はSNSなどでさらに顕著になってしまった問題
でもそれに対する弁護チームの対応は
非常に興味深かった。

主人公であるリップシュタットさんは
弁護チームに意見はしない方がいいと言われ
苛立ちを募らせながらも口を閉ざします。

裁判というものの難しさと
それを戦うプロたちの姿は熱い。

それと同時に、生存者を出さない理由にも
驚きます。
「ホロコーストの被害者を
否定論者に弄ばせない」

思想により事実を捻じ曲げる人々の
攻撃性の恐ろしさ、その辛辣さにも…
こういう人の声がSNSによりより届きやすく
なってしまった現代は…
私たち個人個人がしっかりと
情報を見据えていかないといけないなと
改めて思います。

渋い映画でした。

SHERLOCKのモリアーティ役
アンドリュー・スコットさんの普通に有能な
弁護士役は新鮮でした。
あとマイクロフト役だったマーク・ゲイティスも
いたのでちょっとニヤニヤしたのは
すみませんでした。
青沢さりた

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