小石川リョウ

否定と肯定の小石川リョウのレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
5.0
映画「否定と肯定」を鑑賞!
2000年にイギリスでホロコーストを否定する歴史学者がアメリカの歴史学者に著者で侮辱されたと裁判を起こしたという実話。
無知な私は、全く知らなかった。
ホロコーストを生き延びたフランクルの思想に基づくロゴセラピーゼミの皆さんの間で話題になっていて、映画評論家の町山智浩もラジオで解説していたこともあり、今日に至った。

観ていて、ホロコーストを否定する人たちの理屈が、南京大虐殺や従軍慰安婦などを否定する人たちの理屈とそっくりで、まったく人ごとでないと思った。
法廷劇の争点は、表現の自由があるとはいえ意図的に事実を歪曲して良いかということ。
間違った歴史が大人から子供に受け継がれる恐ろしさを改めて感じた。

とくに昨今はSNSでのフェイクニュースがあたかも事実かのように広がり社会が動かされてしまうことが多く、本当に恐ろしい。

この裁判で訴えられた歴史学者で原作者のデボラ・E・リップシュタットさんはインタビューで「…できることは“事実の根拠”を要求すること。…個人としては“健康的な疑念”を持つことです。」と情報に対する心構えを話している。(映画パンフレットp21から引用)
感情的にすぐにツイートする前に事実かどうか確認することも大切なこと。

それにしても公開2日目で観客がまばらだったのが残念。
その後に見た「IT」は高校生で満席状態(ノ_<)
「否定と肯定」と二本立てで観せる映画館があれば良いのに…
小石川リョウ

小石川リョウ