半兵衛

連続暴姦の半兵衛のレビュー・感想・評価

連続暴姦(1983年製作の映画)
3.3
実際に起きた暴行事件が脚本にして映画化され、それを見た犯人が脚本家を被害者だと確信して調査する…という凝った構成が興味深いポルノ映画。そしてそこからのひねった展開といい『痴漢電車』シリーズで他のポルノ作品とはひと味違う作品を提供してきたものの若くして逝去した脚本家・高木功のセンスと滝田洋二郎監督の才気が光る佳作に仕上がっている。

普段は映写技師をしている暴行魔を演じる大杉漣の凶暴性にあふれた演技も出色で、若い頃の彼のギラギラっぷりも相まって野獣のような魅力を放つ。

そんな巧みな語り口なのに中盤脚本家が誰なのかという流れがちょっと雑だったり、後半暴行ポルノの定番パターンに着地したりという部分が残念ではあるがラストのオチが決まっているのでそれなりに楽しめる。

80年代のポルノ映画館の様子を鑑賞できるのが今となっては貴重、ちなみに撮影に使われたのは上板東映。
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