福

君の名前で僕を呼んでの福のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.9
映像の組み合わせ方と撮り方が面白かった。組み合わせ方は日常を切り取ってシーンを積み重ねていたので、いきなり話が(日にちが)飛んでいく感じがしたが
慣れるとそれも良さだと思った。

撮り方は結構暗めで主人公のシルエットしか見えないシーンや逆光のシーンもあり、それがまた映画の雰囲気を出していて興味深かった。

主人公の少年と青年の間に漂う安定しない雰囲気が良かった。古代ギリシャに出てくる美少年、美青年、少年愛を連想させる美しさだった。
LGBTが広まっている中で、2人の恋愛を崇高的な見方をするのはどうかと思ったが、(私がそういうものの見方をしてしまった)それだけ純愛で美しかった。そして、性別を超えて1人の人間を愛するということが、どれだけ痛くて苦しくてそれと同時に楽しくて喜びにあふれているのかを感じた。
エリオの両親の存在にどこまでも救われた。こういう人になりたいと心から思った。そして、エンドロールの映像圧巻だった。
福