車乗り込むシーンとか丁寧ですごい…バックミラーとサイドミラーの使いこなし！ドアを開けて「くるの？こないの？」と問いかける、ドアがゆっくりと閉まるまでのその流れもとても良い。
団地だからこその外から聞こえる子どもの声も素晴らしいし、ご近所付き合いも上手く描かれている。子どもが産めない速水今日子の心情と子どもを産んだ女こそ偉いみたいなホモソ的考え（団地のオバサン）を上手く否定しつつも子持ちの女性の子どもを思う純粋な気持ち（パートのダチ。今日子は前者を嫌がりつつも後者をやさしい眼差しで見守る）、その二面性をうまく描いてる。睦雄の演技は相変わらず良いし今回の役も良かった。いまおかしんじ『つぐない ゴールデン街の女』ではゴールデン街で働く女速水今日子とそれに恋するサラリーマン吉岡睦雄が登場するが、そちらよりこちらの方がなんだかしっくりくる（睦雄は粗大ゴミ回収車に乗り、今日子はパートで働く）。そしてラストまでのテンポの良さ。今日子は不倫していた旦那はもちろん自身が不倫していた睦雄さえも否定しひとり煙草をふかす。その美しさ！たまらん、堀禎一の作品がもっと観たかったです。
高い台に乗っけてもらうロン毛のマメ山田…クスッと笑えるシーンを取り込むその巧みさ。良いものみたな〜ところで今日は粗大ゴミ回収車に乗る男の映画を二本観たことになります（『悦子のエロいい話』）。
