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満月の夜のイのレビュー・感想・評価

満月の夜(1984年製作の映画)
5.0
ロメールの描く女性が、私には愛おしくてたまらん
言ってることとやってることに矛盾はあれど、本人にとっては全てが真実で嘘はないというか、ある種純粋無垢?無邪気?その時その時を噛み締めている感じ、好きです
何回も登場する電話の場面は、彼女の生き方を象徴的に描いている気がして、それもすごく好き

匿名性、周りが他人だと頭が冴える
肉体という一部が重要か、その残りの部分が重要か
眠りを妨げる満月の夜


「『満月の夜』を見ましたかとたずねられたら、静かに微笑んでおけばよろしい。その名が日本語でつぶやかれるとき、そこにきまって小さな余白のようなものが生み落とされるのはそのためである。それが、あからさまに卑猥であることを避けようとする、せめてもの慎みというものだ。」
(蓮實重彦『映画に目が眩んで』274ページより)
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