満月の夜の作品情報・感想・評価

満月の夜1984年製作の映画)

LES NUIT DE LA PLEINE LUNE

製作国:

上映時間:102分

ジャンル:

3.9

「満月の夜」に投稿された感想・評価

nknskoki

nknskokiの感想・評価

4.8
「二人の妻を持つ者は心をなくし、二つの家を持つ者は分別をなくす」

硬派な男レミと束縛されたく無い女ルイーズ

「付き合っていてもお互いに干渉したく無い」という女(ルイーズ)の考え方はめちゃくちゃ好きなんだけど、それに理性が伴っていなければただの机上の空論で終わってしまう
途中まで「あぁほんとこういう考えのできる女性ってかっこいいな」って思ってたけど、結局最後はみんなが酷評するようにただの”クソ女”に成り下がってしまった

僕は風俗嬢とか水商売してる人を本気で尊敬してて「彼女にやって欲しい仕事ランキング第1位」と毎年豪語してるんだけど、体は売るのは良いけど心を売られると話が変わってきてしまう
でも変人の俺と違って一般の男の人(レミ)は、普通好きな人が体売ってる時点で愛想つかせるよね

みんな「あいつほんとムカつく!殺したい!」と思ってても実際にその人を殺さないよな?
なのに、「ケーキ食べるのは今日まで」とか「この男とは今夜だけの関係」とか食欲や浮気みたいに小さいことだと人間はすぐストッパーが効かなくなってしまう
理性(ストッパー)に大小の程度は無い

僕はこの「理性」という言葉が好きで、この理性の有無が男女の品格を最も的確に表している指標だと思う

エリックロメール監督のアツい建築愛が随所に見られる
これぞフランス映画!というべき傑作

色々長々書いてきたけど、そうはいっても誰しもこういう経験があるからこそ、このクソ女に観客がそこまで嫌悪感を抱かないところが上手い
關ナミ

關ナミの感想・評価

5.0
●くそ女映画なのに、作品との距離感が非常に適切なため全く憎む気になれない
●このパスカルオジェがめちゃすき
●パスカルオジェのダンスが忘れられない
●パスカルオジェの声が忘れられない
●洒落てる
tukino

tukinoの感想・評価

3.8
理屈では理解し難い、繊細で曖昧な女性の感情に寄り添うロメール。
自由と孤独、付かず離れずな愛を求めた末に降りかかるパスカル・オジェの自業自得な結末に見せる痛々しい後ろ姿が忘れられない。しかしながら登場する誰しもを嫌いになれないのがロメール映画。
全面的に舞台美術を委ねられた主演パスカル・オジェの美術セットが素晴らしく全体的な配色や家具や装飾品、骨董品のポットなど抜群のセンスが垣間見れる。
無彩色のファッションに添えられる赤・黄・青。どこか物悲しいひんやりとした冬の空気が頬を掠める。ロメールが映し出すパリの郊外が大好きだ。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.5
【モンドリアンが最大の謎】
エリック・ロメール、愛の哲学映画。今回は、割とエリック・ロメールと意気投合した。郊外にカレシを放置プレイし、パリに直々、仕事娯楽の為遠出する女と、彼女に翻弄される男との関係を描いている。

エリック・ロメールはWikipediaでみると歌丸師匠、あるいはイカルドにクリソツだが、実に女心を汲み取るのが上手い。

ソクバッキー、とにかく「彼女の側にいたい」、そばにいるねby青山テルマな野郎共に対し、恋人関係は持続したいが、肉欲には溺れたくない。あくまで大事なのは心よ!と叫びたい女の複雑な心境をコミカルに描いている。男の「別に自由にしていいんだよ」と言いつつも、「なんとかして、我が懐に!」と画策するも、全て見透かされている感じは、全男性よ必見といったところ。

さて、本作は印象的な場面がある。女と男がくっちゃべる部屋に、ピエト・モンドリアン の抽象絵画『コンポジション』が2枚も飾られているのだ。

抽象絵画といえば、従来人の内面や思想を反映させるものだと認知されていた絵画に対し、徹底的にメッセージ性や物語たるものを廃したもの。

エリック・ロメールといえば、本作もそうなのだが、人々の内面を描く作家性故、何故水と油な関係をここで提示しなければならなかったのかとブンブン気になった。

なんせ、『コンポジション』は抽象絵画の中でも新造形主義の作品にあたり、秩序と調和の取れた表現を目指している。つまるところ、混沌とした恋愛と喧騒としたパリを映した本作の軸とは真逆のベクトルにあるのだ。

ただ、見方を変えればこれこそがロメールの狙いなのではないだろうか?一見、秩序が整った生活。郊外とパリを一定リズムで行き来し、それぞれの場所の男と、一定の距離を取る。この外見上の秩序が、ロメールの目線でじわじわと内面に迫るうちに複雑怪奇な恋愛観が見えてくる。

ロメール流舞台装置として機能していたと考えると、なんとなく腑におちてきた。芸術素人なので、誰かがっつりモンドリアンと本作の関係について解説してほしいなー
chamama

chamamaの感想・評価

4.1
大好きなロメールの映画。美しくておしゃれな街の人々を見ているだけでもなんとなくわくわくした。そして素敵なセリフ。「満月の夜は皆眠ることができない」という言葉が印象に残っている。
あや

あやの感想・評価

3.7
ルイーズは恋人のレミと同棲しているが、ひとりの時間をつくりたくて新しくアパートを借りて2つの家を行き来する生活を送るが…


今まで見た「友だちの恋人」や「緑の光線」などのロメール作品とは違う、ほろ苦さが残る大人の恋愛の作品だった。
ルイーズは、同棲の解消に反対するレミに「あなたはいつかきっと私より惹かれる人ができる。そんな人ができたらちゃんとお互いに言って別れましょう」と伝える。しかし離れるほどなんとなくレミに会いたくなる気持ちになっていき…


男女の関係は難しいもので、近ければ近いほどどんなに相手が恋しいかわかりづらくなっていき、離れたときになってやっと自分の気持ちに気づき始める。
危なっかしくて、どこかふわふわしている猫みたいなルイーズはたしかに放っておけない。
ロメールの作品に出てくる女性はそうした人間くささを隠すことなく出すので、自分が知らないだけでありそうな面を見せられている気分になる。だからロメールの映画が好きなんだなあ
15歳の頃から男に不自由せず、
常に恋人がいる男に奔放な女性・ルイーズが
序盤に言い放った
「私に全く欠けてるものは
孤独を味い
それを悩むことなのよ」
という言葉がずっしりとラストにのしかかる。
cyph

cyphの感想・評価

4.4
2つの家を行き来する行為が愛と生活を橋渡しすることってある、あるよな〜あるある というきもちで観ていた パリの小さな部屋と郊外のモダンな家の対比も冷たい冬の夜の中でそれぞれ光ってていい 眠らない街へ飛び出して知らない人たちと落ち着かないような落ち着き払ったような心地で朝を待つ夜もよかった 愛がそういった時間に宿ることもその夜明けの先に待ち受けるものもちゃんと知ってる、知ってるのを冬のロメールで観れてとてもよかった 最後の朝焼けをまた観たい
オールナイト上映にて。『友だちの恋人』と同時上映だったこともあり、ロメールにとって郊外とはどういう位置づけなのだろうと考えながら観ることになった。彼の映画では毎回、都市(匿名性、偶然性、機会の多さ)↔︎田舎(記名性、必然性や運命性)という対立があり、ふだんパリを謳歌している女たちが、休暇となれば、パリに居残るのは恥とばかりにリゾートへ向かう。そのリゾートが描かれず、主人公ルイーズが郊外の家とパリの家を行き来するのがこの作品だ。愛の物語であることは間違いないが、その後ろで静かに郊外のアノミーがルイーズとレミを蝕んでいるのもたしか。ロメールを観ていて、社会のことを強く意識したのは初めてだった。

毎度登場人物に院生やアカデミアが現れて、高学歴多いなとは思っていた(でもみんなスニーカーやサンダルを履いているところがいいのだ)けど、『満月の夜』『友だちの恋人』では、それとは別に、「社会の部品として働くことに不満を抱く女」という人間像が定式化されている。前者は因習的なもの(コミュニズムや恋愛)と、後者は因習的なものから切り離されてしまった現実との摩擦から、自分の中に亀裂が生じて苦悩を味わう。

ルイーズは街中で彼氏を目撃する。その後、本当に見たのか?と詰問され、「これが夢でなければね」と答える。一見なにも言っていないようなセリフだけど、彼女にとって郊外の暮らしと都市での暮らしは互いに夢のようなもので、こういうセリフによって、トートロジー的に生活を規定するのは見事だなと思った。いろいろな映画を観る中で、「この主題なら別に小説でいいんじゃない?」と感じることが多々あるのだが、ロメールの場合は、たとえ主題がそうでも、冗長さを味方につけて、徹頭徹尾映画に仕立ててしまうところが不思議。面白かった。
99993g

99993gの感想・評価

3.5
共感はいちみりもできない

水色と赤色の配色
水色の壁や髪につけたチュールのリボン
赤色のマフラーやインスタントコーヒーの蓋 など〜 この色の使い方したい
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