こより

羊の木のこよりのレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
1.6
開始40分くらいは悪くはなかった。
けど、ラストの展開など、特に演出がクソ。
ちょっとびっくりするくらい、笑っちゃうくらいクソだった。
映画好きをこじらせたサブカル野郎の卒業制作みたいなオナニー映画。

ちなみに監督は「桐島、部活やめるってよ」や
「紙の月」や
「美しい星」や
「パーマネントのばら」の人。
桐島は見たけど、全然覚えてなくて、
でもあんまり好きじゃなかった。
紙の月はすごく面白かった覚えがある。
あとは見ていない。


過疎化した町に6人の殺人犯を受け入れて10年住まわせるという極秘プロジェクトを、市役所に勤務している錦戸亮が何も知らされずに受け入れるというストーリー。
受け入れる殺人犯全員がちょっと変な奴で上司に聞いたら極秘プロジェクトだということ。
殺人犯が殺人犯だということは錦戸亮とその上司など一部の人しか知らない。

面白くなりそうな設定だし、
殺人犯たちのキャラクターも良い感じで進んでいくんだけど…
開始40分くらいはたるい画が続いてしまう。
でも、不穏な感じは出しているので、
画の部分はそれでも我慢…と見ていた。
けど、途中からその町独特のお祭りのシーンが入って、
そのくだりもたるいし、
そのお祭りでのことが後から効いてくるのかな、と思ったらそうでもなかった。

途中までは伏線を張っているような不気味な不穏な空気が続くんだけど、
その伏線も特に意味はなく。
最後は衝動的なびっくり展開が起きて…!
(そのびっくり展開も特にスピード感があるわけではなく淡々としているので、
「???」ってなってしまう。)

なんだか説明不足な映画。
演出がうまくいってないのか、登場人物のキャラクターを立たせるのに精一杯で、
登場人物たちの感情を補助する演出にはなってないので、ちんぷんかんぷん。
どうでもいいカットは長くて、肝心なカットは短くてチグハグしている印象。
立たせたキャラクターの伏線も回収不足で、キャラクターがかわいそう。

ストーリーは面白くなりそうだったけど、
見てるこっちが想像で補わなければならない部分が多く、適切な演出がなされてなかったように思う。
最後まで置いてきぼりのまま進む。
なんだかオナニー映画。
どうしてこうなっちゃったのか疑問すぎる。
監督、大丈夫だろうか。

最後にCGが使われているんだけど、
もうそこではちょっと笑ってしまった。

映画としては点数つけたくないレベルだけど、
Filmarksでは最低点数が1点なのでつけられないので、
役者さんの頑張りということでこの点数。
役者さんは素晴らしいです。
この脚本と演出の中で最大限やってくれているという感じだけど、そもそもの脚本と演出のキャパが足りないので、もっと生かせそうなのに生かされてない。
役者さんに失礼なのではないかというレベル。

常日頃あまり酷な言葉は使いたくないと思っているけど、そう心がけていても、柔らかい言葉で包むのは難しかった。
こより

こより