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羊の木のLのレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
3.0
vol.053
松田龍平さん演じる宮腰がずーっと
気味悪い。
いやむしろ宮腰を演じる松田龍平さんに
不気味さを感じてしまうくらい…。
お芝居の上手い人は、どこが上手いのかみていても分からないと言うけれど、
こんなに異様な役なのに何故こんなにも
リアルで自然なのか。
何を思い何を考えて演じてるんだろうと木になる。

6人全員怪しい、、みたいな引っ張り方したわりには一貫して宮腰だけ独特な空気感を放ち、バサバサ人殺したわりに
自分もあっさり死んでしまうという。
神さまは見ているよ、的なラストだったのか?と思うけどなんだかすっきりしない。
伏線を張ったわりに回収しない、みたいな。
床屋さんのとこの元受刑者も、宴のところで元殺人者のかげりを見せたかと思えば
そのまま何事もなかったかのようにラストに繋がってるし、優香さんの体張ったディープなキスシーン、男にとりいってうまく立ち回るタイプの人殺しかと思えば純粋に愛してるんですって、いつそんなに惹かれてたの?みたいな…。
全体的にすっきりしなかった。


でも、最後の田中泯さんと安藤玉恵さんが
微笑ましい。
悪ぶってたのにあっさり殺されてしまう
北村一輝さんにもいっそ愛おしさを感じた。

『怒り』を思い出すような
雰囲気とお話でした。
『怒り』のほうがもっと後味悪いけど。
エンドロールが斬新で面白かった。

市川実日子さん好きだなあと思う最近。
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