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ムーンライトのmdykのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.0
人種の多様性に欠ける日本が退屈だと感じるときがある。人種だけではなくて、性別の多様性への理解の浅さにはうんざり。試写会のときも、美しいと思うシーンで声を上げて笑うオッサンが近くに座ってた。作品内でも、主人公は「オカマ」といわれて虐められる。私は幸運にもLGBTQの友達が何人か居るので彼らの価値観を近くで触れることができるが、テレビが生み出した「オカマ」のイメージの代償は大きい。

この作品がこの時代にアカデミー賞作品賞を受賞したのには説得力がある。眼を見張る展開や派手さは一切ない。ただ淡々と私たちが過ごす日々と同じスピード感で流れる本作は、アメリカで大きな問題の一つである人種差別には触れていない。というか黒人しか出てこないので、そこで出てくるのは誰にでも馴染みのある差別(人種差別とかじゃなくて、性差別や小さないじめ的な)だからこそ肌の色関係なく、感情移入できる。

その中で描かれる最高級にピュアな愛情たちが、あまりにストレートに刺さってくる。

色で捉える像が美しい〜〜空の青い光、洗面台の電気、学校の蛍光灯、、、が彼らの黒に吸収され輝きます。映画館観る価値のある作品です、レンタルでもDVDではなくブルーレイにしましょう。
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