ムーンライトの作品情報・感想・評価

ムーンライト2016年製作の映画)

Moonlight

上映日:2017年03月31日

製作国:

上映時間:111分

3.7

あらすじ

名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校では“オカマ”とからかわれ、いじめっ子たちか ら標的にされる日々。その言葉の意味すらわからないシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だ った。高校生になっても何も変わらない日常の中、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初 めてお互いの心に触れることに・・・

「ムーンライト」に投稿された感想・評価

白の

白のの感想・評価

4.7
現地の生活感の描写が与える作品を貫く印象の深み。ゲイであるという自覚と薬中の家族を持つことへの不信が内的苦悩へと連鎖し、それがもたらす繊細な人間の感覚。

最初は救いなど何もないような気がした。
それ故にラストシーンでは人生の一過性をすごくいとおしく思える。
背骨

背骨の感想・評価

4.0
マイアミの貧困地区で暮らすシャロン。

麻薬中毒でネグレクトの母親から相手にされず、周りの子供たちからもいじめられる日々…。
そして自分はゲイなのではないか?と悩んでもいる。

彼がいっときの安らぎを感じられるのは麻薬の売人 ファンとその妻 テレサ、唯一の友人である ケヴィンといる時だけ。

そこから逃げ出したいけど、外には出られない。
とても狭いけど、高い塀で囲まれた彼の世界。
どこにも行き場のない、息苦しくどん詰まりなこの世界で生きていかなくてはいけない。

全ての母親が子供を愛せるわけじゃない。

ましてや人が他人を愛せるなんていうのはなおのこと。

動物は自分と違うものに警戒心を抱き、時に攻撃する。それは自身の身を守るための本能。

人間は自分との違いを許容出来る動物だけど、残念ながら誰もがそうな訳じゃない。

さらに人間という生き物は別の理由でも他者を攻撃する。
自己のアイデンティティーを守るため、精神的優位性を確認するために自分と違うもの、その中でも自分より弱いものを叩く。

…ホントに厄介な生き物だ。

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そんな中、好意以上のものを感じていた唯一の友達 ケヴィンからの裏切りにあってしまった事で、自分の中で抑えていたものが一気に暴発してしまう。

そしてシャロンは刑務所へと送られていった。

その後シャロンは生まれ育った境遇・忘れたくても忘れられない記憶を抱えながら、なんとか自分の人生を自分の足で歩んでいく。

人は生まれてくる場所を選べない。親も、環境も。
その選べない人生のスタート地点がどんなに自分で望まない・報われないものであっても、自分の人生を実りあるものにしたいなら、必死に抵抗を試みないといけない。
(人はそれを努力と呼ぶ)

人生の定義は人それぞれだろうけど、「選べないスタート地点からどれだけ高い位置でゴールするか?」よりも「スタートからゴールまでの道中、どれだけ生きていて良かったと思える感触を多く得られるか?」なのかなって思った。

ありもしない「今よりも素晴らしい、ここではない何処か」を探すよりも。

そう、シャロンがいう通り、
「オレはオレ。他の誰でもない。」んだから。

最後、ほんの少しだけシャロンに安息の時が訪れたのが、この映画唯一の救いだった。
ただ…おそらくは夜が明ければシャロンはまた元の生活に戻っていくんだろうな。

そう、人生は容赦なく続いていくものだから。
あかね

あかねの感想・評価

3.2
様々な問題が随所に散りばめられていて、色々と考えさせられた。自分の人生は自分で決めるべきだ、と。映像が美しかった。
弦

弦の感想・評価

5.0
マイアミを舞台に自分の居場所とアイデンティティを模索する少年の成長を、少年期、ティーンエイジャー期、成人期の3つの時代構成で描いたヒューマンドラマ。マイアミの貧困地域で暮らす内気な少年シャロンは、学校では「リトル(チビ)」と呼ばれていじめられ、家庭では麻薬常習者の母親ポーラから育児放棄されていた。そんなシャロンに優しく接してくれるのは、近所に住む麻薬ディーラーのフアン夫妻と、唯一の男友達であるケヴィンだけ。やがてシャロンは、ケヴィンに対して友情以上の思いを抱くようになるが、自分が暮らすコミュニティではこの感情が決して受け入れてもらえないことに気づき、誰にも思いを打ち明けられずにいた。そんな中、ある事件が起こり。

内容、少年の成長をリアルかつ現実的に描いていて良かった。最近の映画は、変なタイミングで変なサントラを付けているんだけれど、この映画は、映像とサントラが合っていて凄いと思った。

演技は、全員良くて、特に子役が良かった。少年役の、アレックス・R・ヒバートの演技は本当に素晴らしかった表情で物事を説明していて、観る者を魅了していたって感じ。ナオミ・ハリスも凄い演技力で、映画を良くした。このキャラクターがいたから映画も一段階良くなったと思う。

映像は、基本綺麗だったさりげない事なんだけど、二人で会話している時の背景をぼやかしたり、海で泳ぎの練習をしている時に少し海に入って波の臨場感を出していたり、さりげないことだけど、ちゃんと作ってるって言う感じがして良かった。
Shoei

Shoeiの感想・評価

4.2
月夜に照らされたゲイの黒人。その肌は青く反射して見える。詩的!
冒頭のように悩める子どもにごはん食べさせたりできる大人になりたい。フアンの車かっこいー
なつ

なつの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

全体的に雰囲気もBGMも重くて苦しかった。シャロンに感情移入できるかが鍵なような気がする。フアンの豪快な笑い方とテレサの受け容れる優しさが響いた。
この手のストーリーの純愛恋愛映画は今までに何本も見てきた。
ただ新しいのは主人公達がゲイだってことぐらいかなぁ。
ただ映画としては決して悪い作品ではなく、飽きずに最後まで楽しんで鑑賞することが出来た。
何の事前知識もないままにツタヤで借りて見てみたのだが、最初は『ゴッド・オブ・シティ』や『ゴッド・オブ・メン』のようなスラム街での青春映画かな、と思ったのだが事前知識がないために急なゲイ映画に発展し、非常に驚いた(笑)
アカデミー賞受賞なのかぁ...確かに面白いし、感動はしたんやけど、そこまでの作品のようには俺には思えなかったなぁ。
確かに映像的な美しさはあったと思うし、それがこの作品の中の1番のウリであろう。
KokiKanao

KokiKanaoの感想・評価

4.0
トレヴァンテ・ローズは幼少期のシャロンの影をうまく残してる。

彼の演技が過去と今のコントラストを作るし、最終的にそれが交わる最後のシーンは作品の本質を際立たせてくれたと思う。

この手の作品は、見た人が、自分が弱い立場に晒されたことがあるかどうかで心への刺さり方が変わってくると思う。
内気な黒人男性が自分は何者なのか答えが出るまでのプロセスを描いた作品

少年期では
自分の存在理由を問い、
成熟期では
自分の本質を知りながらも探る、
青年期になると
自分が何者なのか、今まで自分と向き合い答えが出ました。

ハッキリ言うと
黒人とゲイの話です。

そんなつもりは無く見た方もいたんでは無いでしょうか
偏見を拭い去るような作品ではないですが、マイノリティがどのように生きているか、それらを月の光で照らし、その日常を垣間見る作品だと思います。

また多くを語らない雰囲気が好きでした。苦手な人は苦手かも

陽の当たる華やかなものではなく、月の光が当たるぐらいの暗い夜にじんわり染みる、余韻に浸りたい映画といったらコレですね。
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