あずき最中

ムーンライトのあずき最中のレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.0
社会問題を扱っているという点で評価されているというイメージで観に行ったのだが、思いのほか、新たに深く考えさせられるということはほぼなかった。
セクシュアリティが原因のいじめ、ドラッグの売人がらみの話もとくに目新しいものではなかったように思う。

全三部構成で、話の展開もシンプル。
印象に残ったのは、やはり「月の光を浴びた黒い肌は青く見える」というセリフ(※原文ママではない)。
シャロンが実の母に怒鳴られるシーンでは部屋から漏れた赤い(濃いピンク?)が映るのに対して、シャロンが精神的に解放されるときは青の色が度々登場する。

以下、うろ覚えながら、

・ファラと出会った廃屋は青い壁
・学校から家に帰るまでの帰り道に肩に担ぐTシャツの柄が水色のストライプ
・(レゲエ男子に待ち伏せされているので帰るのを躊躇う)シャロンにケヴィンが絡みに来たあとに映る壁が水色
・三部でケヴィンが青いTシャツを着ている
・海での一件後にあった、暗転からの青い光の点滅
・ラストシーンの少年

また、ファラがシャロンに泳ぎ方を教える場面で水に浮くシャロンを支える姿が、我が子を産湯に浸ける父のようで、個人的に気に入った。
ただ、とくにファラの死、女性陣についての描写が少なかったので疑問が残ったのは残念。
周りに流されたり、飲めないワインを無理してあおったり、順風満帆には行かないけれど、それでも自分を認めてくれる人が一人でもいれば、人生にはそれなりの価値があるのかもと感じさせてくれる映画。
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