『純潔』
何も予備知識がないまま、アカデミー受賞式でハプニングがあったものの受賞した作品とぐらいしか知らなかったが、実はとても複雑で美しい作品だった。
主人公シャロンのまだまだあどけなさが残る少年時代、多感な高校生時代、しこりを残したまま大人になった青年時代の3部構成になっているので分かりやすかった。
第1部からシャロンが置かれている現状に胸が苦しくなる。ドラッグ漬けの母親の元で充分に愛を与えられずに育てられ、学校では『オカマ』と呼ばれ酷くいじめられていた。シャロンを支えてくれる人達も現れるが、素直に安心できないモヤモヤ感が続き、シャロン自身もさらに孤独感を抱くようになる。
第3部では別人のようになるが、変わったのは外見だけで中身は繊細なシャロンのまま。これらの問題は映画の中だけのことではなく、リアルでも私達は一緒になって考えていかなければいけない問題なのだろう。
全て観たからこそ、印象的なポスターの意味がわかった。
