き

ガールフレンドのきのレビュー・感想・評価

ガールフレンド(1978年製作の映画)
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エンディング!だいじょうぶと強がってみても、だめになりそうな恋にわくわくしても、それでも人生はつづいていくね

女の子たちのために撮られた「女ともだち」映画と思える映画はいくつあるだろう。なぜ映画は、いつでも男性の視点から「女の子」たちが描かれるのだろう。しかし、「女ともだち」映画の息吹はいま、過去40年以上の時を隔ててもなお息づいている。いまだに「女性」映画監督と名指されてしまうジェンダーバイアスのかかった現代で、70年代に「女性」映画監督として活躍し、セクハラを受けて、ハリウッドをあとにしたクローディア・ウェイルの映画『ガールフレンド』を観ることができて、心から嬉しい。たとえば、グレタ・ガーウィグ。いまハリウッドの第一線で活躍する彼女が主演・脚本を務めた『フランシス・ハ』でソフィーとフランシスが共有するタバコと遊びと笑い、『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』ではちきれそうになりながら吐露される「たまらなく寂しい」というときのジョーの気持ち、『Girls /ガールズ』シリーズでときに嫌気がさしながらそれでもつかず離れずそばにいたハンナとマーニーの複雑な友情、それらに『ガールフレンド』のスーザンとアニーの、そしてウェイルがまいた種が芽吹いた瞬間を見ることができるはず。離れていったり、変化していったりする友情についての解決策は、ないのかもしれない。けれど、みながもがきながら、その変化をどう受け止めるのか。そんな映画自体が、こころのそばに寄り添ってくれるような、それでいて、男性優位な社会に、それによって生まれる「抑圧」というものに向き合わせてくれる作品だった。ありがとう!
き