すみれ

レミニセンティアのすみれのレビュー・感想・評価

レミニセンティア(2016年製作の映画)
3.3
日本人監督が、全編ロシア語で映画を撮った。
元々、本作品の監督が携わっていたというのが、私の大好きな映画監督アレクサンドル・ソクーロフの作品であるというので、とてもわくわくして観に行った。

だが、ソクーロフというよりは(同じロシア映画なら)タルコフスキーの影響が強いのでは?と思った。

あと作品の仕掛けというかオチに中盤あたりで気付いてしまい、いやいや、まだ何かどんでん返しがあるだろう……と思ったら、特にそんなことはなく、いささか肩透かしをくらったことが残念である。
設定と(途中までの)シナリオがよかっただけに、あともうひとひねりくらい欲しかった。

しかし、鑑賞後、パンフレットを読んでみるといかに限られた日数、限られた予算、限られた人員……を考慮して試行錯誤した結果の脚本であるらしいので、それを鑑みるとよくやった方なのかもしれない。

日本人でこういった尖った作品が作れるのはとても素晴らしいと思うので、いつか予算等を気にしない環境でこの監督の思い切りコレが撮りたいんだ!という作品を観てみたい。

そして、その時は、できれば自分の娘は役者として起用しないでほしい。

(娘に対する思い入れはわかるが、娘のプロモーションビデオになりかけていた気がするので)