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バンクラッシュのFRのレビュー・感想・評価

バンクラッシュ(2016年製作の映画)
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淡白かつ静的。銀行強盗の映画だが、個人間から強盗団、警察、国家に至るまで、陰謀、私欲、諍い、駆け引きなどの要素が絡む。1期くらいかけてやる海外ドラマの筋書きを削ぎ落とし端折って映画にまとめたような作品。描写されない設定が多くあるため物語は深く映画としては浅いともいえる。それでも、物語の大きな背景のもと強い刺激のない平坦さをもって進行するこの映画は、むしろ画が綺麗なのと相まってある種の気品さえ醸し出しているような印象。包囲下の行内で、「ウルグアイ人」と「ガリシア人」が諦めたようにワインを飲みながら歓談する場面は、その前の二人の争いの描写もあって人間の心を映す本来的にはとても深い場面。またほぼ最後に「ウルグアイ人」が浮かべた表情は、それ以上でもそれ以下でもない絶妙なものだと思う。

ところで渋滞で交通が麻痺してるはずなのに、とくに警察がすんなり銀行まで辿り着いてきたのはどうしてだろう。
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