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僕とカミンスキーの旅の555zのレビュー・感想・評価

僕とカミンスキーの旅(2015年製作の映画)
3.8
抜群に期待値を上げた予告編を見て観に行くと‥。

若くてずる賢く厚かましく自分勝手な自称インタビューアーと身体と心の光を失った(架空の)超有名芸術家の過去と未来の話。

第三者的にインタビューで過去が次々と語られる訳でもなく(架空だからね)二言目には忘れられない女の話。

会ったところでどうにもならないことは本人にも解っていて、自分を知らない人に芸術家ではない自分の話を聞いて欲しかったのではないか、と。

盲目の芸術家はインタビューアーに自分の過去を見るが、インタビューアーは芸術家に自分の未来の一部を見ることが出来ただろうか?

盲目かどうか、目が見えなくても絵が描けるのかと言ったコトは割と神秘的な描かれ方をしていて、
それより老いが重くのしかかる。

ある意味、ストーリー的には目が見える見えないことと過去の記憶を思い出す(見える)過去と現在が入り混じって分からない(見えない)事が同じことのように語られる。

若者には何のことか分からない(作品内でもそう)だろうし、これからそう遠くない話と思えば笑って流す訳にはいかない、かと。

同じ絵画が何度か出てきたり、架空の画家なのに作品の感じがイメージ出来たりするのは良かった。

スカっとしたい人にはオススメしません。
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