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オリエント急行殺人事件のdoggiehowlのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
3.5
よかったところ:
・不快な表現というか言い回し、演出を感じなかったところ
・アガサクリスティの世界へ誘ってくれる感じ

悪かったところ:
・取り立ててこれ、というおすすめが難しいところ
・ネタバレが流布しすぎているところ…

まとめ:
映画としての評価がうまくいかないのはストーリーを楽しむ<推理小説を楽しむになってしまったから?今となっては原作を読んでおいた方がよかったのか悪かったのかわからないけれど、読まなかった方としては(うっすらとした前知識のせいでやっぱり多少駄目になってしまったのでそう名乗るのも吝かだけど)シュールで淡々としていて面白い小説だなあという感想になってしまったのは否めない。恥ずかしながら子供の頃にアガサクリスティを読んだきり、まるっきり縁のない世界だったのでそれに感心して浸っているうちに終わってしまったというか…とにかくちゃんと楽しむにはいろいろ足りなかった気がする。豪華キャスト、みたいな触れ込みも含めて。
逆に言うと、これをきっかけに同作家の小説を買い込んで読みふけることになったので世界観を表している、という点やそれが魅力的なところに関しては本当にそう、と言いたい。ポアロに対して(正直他小説で読むよりもずっと)好感を抱いたし乗客の皆に関しても推理や謎や犯罪に関しても不快なところがなかった、それはとてもとてもありがたいところなんだと思う。そういう類の映画なのかどうかは置いておいてもうまくポイントを上げることができないとはいえとても万人向けて気になる人には素直に進められる映画。うっかり小説の沼にはまるのもとても楽しい。
ところでミステリは原作を読んでいないとショッキングな出来事とか踏んでしまうということにようやく気付いた。犬は死にますか並みに人によるショックポイントがあると思うので、やっぱりネタバレはいいか悪いか、というのは難しいもんだいなんだなと思う。私は今回はダメでそこをひきずった、その程度と受け止めるハートが欲しい。
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