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THE BATMAN-ザ・バットマンーの速のネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

長い上映時間を通して映像のクオリティは高く、
アクション場面も暗さのなかでアイデアで魅せてくれる。
だが、肝心の内容が面白くない。

リドラーという殺人犯が殺人現場に「なぞなぞ」を残してバットマンたちに挑戦してくるというものであるが、このリドラーに魅力がない。
役者に魅力がないのではなく、「なぞなぞ」は謎を出す側のさじ加減でいくらでも難しくできるので、リドラー側が有利なのは当然だ。そこに何かしらの工夫がないと、リドラーに魅了されようがない。

この映画においてバットマンは何らかの内面的葛藤を克服したのかと言うとそうは見えず、ただ単に「実際はどうだったのか」を巡って振り回されただけだった。「父上は出頭するところだったのです」で安心なら、バットマンは単に正義の味方ではないか。

登場人物には類似がある。リドラーが孤児であること、キャットウーマンの父が「悪」であり、バットマンの父も疑わしい部分があること……。
だが、その類似が何なのか。類似しているよ、という目配せがあり、類似をめぐる葛藤や克服はない。

映像美で長時間楽しませてくれたが、ストーリー的にはまるで惹かれるところがなかった。
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