おかだ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのおかだのレビュー・感想・評価

3.8
原点回帰バキバキノワール金持ち兄ちゃん


何度目のリブートか、劇場版バットマン。
私は旧4部作は未見、ひたすら有名なノーラン三部作から入ってベンアフレックのDCEU版もニコニコ見守っていたところのリブート。ロバートパティンソン。
DCEUはアレとはいえ、ベンアフレックおじさんやジャレットレトはなんだか不憫であるよなあ。

劇場版バットマンといえば、ノーランがその方向性を決定づけたとも言えるがとにかく暗い。
スーパーパワーを持たない金持ち兄ちゃんで、かつ私生活でもあんまり社交的ではないため、他シリーズと比べても断然陰鬱で人間臭いシリーズです。

そして今回は知能犯による連続殺人の謎解きを軸に180分という長尺展開ということで、色々覚悟しながらの鑑賞となりました。


感想としては、とても良い映画だったと思います。
ただしかし個人的にはさすがに長すぎて疲れた。

元々、ヒーロー映画というよりは探偵もの、探偵ノワールものの色が濃いバットマンシリーズだが、今回はその色が多作と比べても圧倒的に濃かったな。

夜のシーン、かつ雨や洪水で道が濡れている場面がとにかく多くて、そのあたり凄くこだわりを感じた。

物語については、出典原作や明らかにされているオマージュ作品の数々、見ていないものが多いが、ノワール映画的という意味では「チャイナタウン」のうっすら面影を感じた。
あれ面白いんよなあ。

演出については、色々あるけどやっぱりバットモービル登場のシーンが好きすぎて。
散々言われているが、あの「マッドマックス」感、ペンギン渾身のリアクションも含めて大仰さが最高。
その後のカーチェイスからの逆転ホラー描写もコテコテで笑わせてもらった。


しかし、とはいえ180分弱は長い。
仕方がないとはいえ長尺でかつテーマも多岐に亘るので、山場が畳み掛けてくる終盤は劇場版コナンシリーズに似た疲労感を覚えた。

ただ、180分弱使っただけあって、リドラーによる連続殺人という全編を貫いたドラマによる推進力と、ノワールとヒーロー映画の掛け合わせという試み、バットマンのオリジンとしての成長譚など描くべきはしっかりと描き切れていて凄いなとも感じた。


めちゃくちゃ長いし陰鬱なので疲れるが、だからこそ映画館での鑑賞が圧倒的にお勧めだと思いました。
おかだ

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