かさご

THE BATMAN-ザ・バットマンーのかさごのレビュー・感想・評価

4.4
【ハイパー厨二病映画】

基本はダークナイト系列と似た暗くて陰鬱な雰囲気で進むタイプの映画。ただ、今回はダークナイトシリーズよりも更にリアルで、SFよりもどちらかと言うとサスペンス要素が強い。リドラーがメインヴィランなので、ミステリー要素も有り、かなり見応えのある作品になっている。全体的によりリアルを追求しているため、バットマンも非常に人間臭い。ただ、かつてのシリーズのようなヒーロー特有のド派手なアクションシーンを求めていくと少し物足りない可能性あり。

カメラに収める構図がいちいちかっこよくて全部切りとって保存したいレベルだった。画面が常に暗いのに分かりにくくなることはなく、赤いライティングなどでエッジーな雰囲気を出していて息が詰まりそうになる演出がゴッサムらしさを引き立てていてとても良い。また、バットマンの性格も演出も、どれも厨二臭いところも良ポイント。スローモーションの多様や長めの貯め等、たまに少しくどい演出もあるように感じたが、作品全体のイメージには合っていたので多分問題なし。

私はバットマン系列の敵キャラが好きなので敵キャラが沢山、且つ丁寧に世界観に合った状態で作中で登場したのでかなりワクワクすることが出来た。今回暴れなかったちょい出しの敵キャラも今後動きを見せそうな描写を入れていて今後に期待が持てて良い。ゴッサムの演出も個人的にバートン版に並ぶかそれ以上の荒れっぷりで原作リスペクトを感じて非常に良かった。

最初の方は少し陰キャすぎるくらいのブルース・ウェインにびっくりしたが、慣れれば問題なかった。前日談の小説で何故ここまで暗い性格になってしまったのか書かれているようなので後日読んでみます。

ただ、個人的に少しだけ挿入歌が合っていないように感じた。オリジナルに書き下ろされたBGMはマイケル・ジアッチーノだけあって非常に良かった分、少し気になった。3時間というかなり長めの尺も少し削れた可能性はあるのかな?バットマン自体が好きなので少しでも長くあの世界を見れるという意味で私は嬉しかったが初見だときついかも。中盤に差し掛かったあたりの中だるみ感は正直否めない。

次回作のヴィランは恐らくあいつになるので早く続きが見たい。次は絶対映画館で見る。
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