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サラエヴォの銃声のmayaのレビュー・感想・評価

サラエヴォの銃声(2016年製作の映画)
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第一次世界大戦の引き金となった1914年のサラエヴォ事件から100年の節目のタイミングで上演された戯曲『ホテル・ヨーロッパ』を原案として作られた作品。歴史的背景の理解が中途半端なまま観てたから理解できてない部分もあったのが正直なところ。今年のアカデミー賞ボスニア・ヘルツェゴビナ代表作品になってるけど、自分も含め大半の日本人が急にこれ観ても「??」という感じになる気がする。でも観終えて足りない知識を補いつつシーンを振り返えると、ああ、これは暗喩なんだなあ、とか理解できる部分がでてきたり、まだ知識が足りなかったり。作品としては過去の紛争と現代を交錯させ、ホテルという空間の中での人々の関係、行動に当時の社会情勢を見る内容となっている。経営難に陥ってるホテルの支配人と銀行員、支配人とストを起こす労働者、言い寄る男と靡かない女… この関係性が絶妙。
報道番組のインタビュアーの女性と、当該事件犯人と同姓同名の男の間で繰り広げられる「テロリストか、英雄か」の論争は昔からあるけど人種問題の歴史とかをもう少し頭に入れた上で観た方がわかりやすかったのかも。
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