サラエヴォの銃声の作品情報・感想・評価

サラエヴォの銃声2016年製作の映画)

Smrt u Sarajevu/Death in Sarajevo

上映日:2017年03月25日

製作国:

上映時間:85分

3.3

あらすじ

2014年6月28日、第一次世界大戦勃発のきっかけとなったサラエヴォ事件から100年。サラエヴォ最高のホテル「ホテル・ヨーロッパ」では、記念式典が行われることになっていた。ホテルの屋上で戦争と結果についてインタビューするジャーナリスト。 式典に招待されて演説の練習をするVIP。賃金未払いをめぐってストライキを企てる従業員たち。混沌とするホテルに一発の銃声が鳴り響き、それぞれの運命が大きく交錯して…

2014年6月28日、第一次世界大戦勃発のきっかけとなったサラエヴォ事件から100年。サラエヴォ最高のホテル「ホテル・ヨーロッパ」では、記念式典が行われることになっていた。ホテルの屋上で戦争と結果についてインタビューするジャーナリスト。 式典に招待されて演説の練習をするVIP。賃金未払いをめぐってストライキを企てる従業員たち。混沌とするホテルに一発の銃声が鳴り響き、それぞれの運命が大きく交錯していく…。

「サラエヴォの銃声」に投稿された感想・評価

えりみ

えりみの感想・評価

4.1
WOWOWで。
サラエボ事件は世界史で習ったし、ボスニア紛争やユーゴスラビア紛争は映画の題材によく使われるので、戦争映画をよくみる人なら歴史的な流れは何となく理解出来ると思う。
2014年6月で、第一次世界大戦勃発の引き金となった事件からちょうど百年なんやって。つい20数年前には史上最悪の民族浄化が起こった国。小さなこの国が欧州全体の歴史をも物語る〜
ドキュメンタリーっぽくそのあたりの事を喋らせる報道特番パートと、一応の平和を手に入れたこの国に生きる一般市民の生活は未だ厳しい〜な今をみせるホテルの1日を描くドラマパートが上手く融合。
1時間半ないので集中力も途切れず、てかホテルのドラマパートだけで十分引き込まれた。
そして誰もいなくなった…
シブい。
複数のパートの話が同時進行するが、その中で屋上でのインタビュアの部分が「歴史パート」を担う。皆さんおっしゃるとおり、鑑賞前に1914年の世界史をおさらいしておく方がより理解できる。

とはいえ、さすが傑作「ノーマンズ・ランド」の監督らしい作品。

司馬遼太郎の小説を読むと、歴史の転換期は計算で成り立つのではなく、その時代の溜まり溜まった熱量のようなものが暴発して起こるというような分析がある。同じく本作も、ホテル内での事件は偶発的なものであり、しかし緊張の蓄積による不幸な暴発とも言えるもので、ある種100年前のサラエヴォ事件も同じような発端であったのかもしれないという皮肉たっぷりの歴史解釈。結局は悲劇であり喜劇。ユーモアとペーソス。笑いつつも儚い終わり方。これはこの監督の18番なんでしょうね(o^^o)。

80分の短尺に無駄なくまとめ上げたのもGOOD٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
第一次世界大戦の発端となった暗殺事件から100年を記念する式典が行われるホテルは財政難で従業員の給料さえ支払われず、しかも20年前に起こった現代のジェノサイド、サラエヴォ包囲の確執すら生々しく残っている……という状況を、式典が行われる予定時刻までの半日間で描いた一作。
とにかく、順調に近代化し、洗練された生活を身につけているように見えるサラエボ市民が、だけど20年前、むしろ古来からバルカン半島で続いている軋轢の記憶に雁字搦めにされているのでは……と思わずにはいられない。

とか云いつつ、フロント係のオネエサンがミニスカ・ハイヒールで走り回る姿にときめいてみたり……って、ヤケを起こした支配人みたいな感想で申し訳ない(笑)。
ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史がホテルに投影しているのか?いかんせん歴史を全く知らない。
カメラワーク、監視映像が印象的。
akrutm

akrutmの感想・評価

3.5
サラエヴォ事件から100周年の記念式典が開かれる当日のホテルでの出来事を淡々と描いている。それらの出来事を通じて、過去から現在に至るサラエヴォの不安定さや理不尽さが伝わってくる良質の映画だと思います。
ボスニアヘルツェゴビナの歴史、及び民族問題についての造詣無しでは理解できません。よって私には難しすぎました
サラエボ事件をよく知らないので
あまりよくわからなかった。

「大洪水で国土が水没しない限り
私たちが1つになることはない。
私たち、あなたたち、彼らのまま。悲しいわね」
「でも人間性は残ってる」
「そうは思わない。優しさなど信じない。ただの生存本能よ」

シェフの男の子がよそ見してもテンポよく卵を切ってたのがすごかった。
GoMaeda

GoMaedaの感想・評価

3.8
歴史背景を知らないことで、
終始歯がゆい感覚に。
闇の根深さだけは切々と
感じる熱量。
勉強したくなった。
ヨーロッパの火薬庫、いまだ健在。
サラエヴォのホテルを舞台に、ホテルの労働争議と歴史番組の収録が平行して描写される。プリンチップのサラエボ事件を起点に、歴史認識の変転が語られていく。バルカン半島の複雑な民族対立が今も続いていることを実感させる、重厚な歴史映画。
「ボスニアヘルツェゴビナではすべてに2つ以上意味がある」
「血の20世紀はサラエヴォに始まり終わるのだ」
「EUは装甲車で走り回り、この国に融資し、生き方を指図してくる」
「優しさなど信じない。ただの生存本能よ」
歴史問題が解決しない理由がよくわかる。歴史観の共有など不可能で、それを前提に平和を維持しなければならないのに、「正しい歴史」の押し付けあいを続けるのであれば、これからも戦争が繰り返され続けるであろう。
「戦争広告代理店」を読みなおしたくなったが、見つからない
ダニス・タノヴィッチ監督は『汚れたミルク』で粉ミルクにまつわる汚職を描き、なかなかグレーな描き方をする監督だなと思ってました。

今作もサラエヴォのホテルを舞台にジャーナリスト、大統領の側近、ストを企てるホテル従業員の1日を淡々と描かれていく。
誰も悪くないし、みんな悪い気もする。。

ただサラエヴォの歴史の背景に詳しくないので、
なんか話についていけなかった。
もう少し勉強してから観た方が良かったかも…。
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