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ぼくらの亡命のNのレビュー・感想・評価

ぼくらの亡命(2017年製作の映画)
3.4
依存を描いている作品の中では結構好きだった。
依存に対して全然共感ができないんだけど、この作品の昇と樹冬はなんだかわかるところが多々あって、2人の演技力のおかげかもしれないけど、それぞれが取る行動が自然に思えた。
決して正解ではないと思うけど、あの2人なら、それぞれの汚さならあのようになっても仕方がないよなと。

自分も堕ちて、相手も堕として、ズブズブな関係は苛立ちつつ嫌いになれない。
私はラストそれぞれに救いが訪れたと感じたけど、2人にとっては絶望よな。怒りと悲しさをぶつけ合うシークエンス圧巻だった。
世界と切り離して生活をしたいと思いながら切り離すことってなかなかできない。今の時代なら尚更。どこに行っても外の世界がつきまとう。
揺れる草木、夜の海、風景の切り取り方がすごく綺麗だった。
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