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苦い銭の86junkのレビュー・感想・評価

苦い銭(2016年製作の映画)
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消費社会とか、格差社会とか、そういった巨大な何かの間の谷に落っこちてしまった人たち、と失礼にも思ってしまった。

出稼ぎ労働者たちの生活は貧窮していて、環境はどう見ても悪い。
不満だらけだけど、集まった彼らは、皮肉を交えつつ会話してお互いを労ってるようにも見える。そこが羨ましくも思えた。もちろん、彼らのような生活がしたいとは思わないけど。

彼らがそんな生活から抜け出す方法は映画の中では見当たらない。彼ら自身も抜け出そうとしているようにも見えない。
見限って、不満なまま身の丈を決めているようにも思える。
同時に素直で純粋だなと、だからこそ乱暴なんだと。彼らのこと、少しは理解できるようになったかもしれない。
DVはやっぱりダメだけど。

映画からは意外と悲観的な印象はなく、どこか愛おしい。
んー、人の理想の生活ってホントに分からないなー。あったとして、それが自分にできるのか。
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